バリー・タックウェル
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CD(DECCA 475 7104)
モーツァルト/ホルン作品全集
1.ホルン協奏曲第1番ニ長調K412
2.ホルン協奏曲第2番変ホ長調K417
3.ホルン協奏曲第3番変ホ長調K447
4.ホルン協奏曲第4番変ホ長調K495
5.歌劇「イドメネオ」より「もし父を失うならば」
6.フラグメント変ホ長調K370b
7.コンチェルト・ロンド変ホ長調K371
8.ロンド ニ長調K514
9.フラグメント ホ長調K494a(K.Anh98a)
10.管楽器のための協奏交響曲K297b
11.ホルン五重奏曲変ホ長調K407
12.ホルンのための二重奏曲K487より
第1曲、第3曲、第6曲
13.ピアノと管楽器のための五重奏曲変ホ長調K452
バリー・タックウェル(ホルン&指揮)
イギリス室内管弦楽団(1〜10)
シェイラ・アームストロング(ソプラノ)(5)
デレク・ウイッケンズ(オーボエ)(10&13)
ロバート・ヒル(クラリネット)(10&13)
マーティン・ガット(ファゴット)(10&13)
ジョン・オグドン(ピアノ)(13)
ガブリエリ四重奏団員(11)
ケネス・エセックス(ヴィオラ)(11)
録音 1983年6月&7月
この録音はモーツァルトのホルン作品を全て集めたもので、タックウェルならではの企画でした。
タックウェルは自分で指揮をして、余裕を持って自在な演奏をしています。ホルン協奏曲第2番のロンドには短いカデンツァが挿入されています。第3番のカデンツァは長いカデンツァを新しく作って演奏していました。第3番のロマンツェでカットがあります。第4番の聞き物は低音から超高音まで使った長いカデンツァで、最初の録音の短いカデンツァとは大違いの演奏です。
歌劇「イドメネオ」より「もし父を失うならば」はオペラ作曲家モーツァルトの作品の中でソプラノのアリアに呼応するように歌うホルンが入る珍しいアリア。
フラグメントK370bはタックウェルが始めて世に出してくれた曲で記念すべき録音です。この録音まで世に出ていなかった幻の作品で初めて聞いたときはこんな素晴らしい曲があったとはとびっくりしたものです。カデンツァも素晴らしいものです。
ロンド変ホ長調K371は1971年に次ぐ2度目の録音です。速いテンポの勢いのある演奏です。オーケストラ編曲はタックウェルでカデンツァは新しく長いものを演奏していました。
またK514はロンドの別ヴァージョンでこれも初録音でした。ジェスマイアー編曲とは違う魅力があります。なおカデンツァの挿入はありません。
フラグメント ホ長調K494aは3度目の録音で、これもタックウェルが初めて録音しています。なおここでもオリジナルの楽譜のままでオーケストラの部分がなくなるとホルンのソロのまま終わります。
協奏交響曲は初めての録音でした。タックウェルのホルンとウイッケンズのオーボエ、ヒルのクラリネット、ガットのファゴットの4人による演奏は息のぴったり合った素晴らしいモーツァルトになっています。管楽器の融合の素晴らしさがあります。オーケストらの弦楽の響きもきれいです。
ホルン五重奏曲はタックウェル初めての録音ですが見事な腕前を披露しています。強弱のメリハリをつけたにくいばかりの演奏です。聴けば聴くほど素晴らしい名演です。ガブリエリ四重奏団の緊張感あふれる演奏もまた凄いです。
ホルンのための二重奏曲は12曲でできていますが、モーツァルトの自筆稿が存在するのは第1、3、6曲だけで、あとの9曲は他人の作の公算が大きいとしてタックウェルは3曲しか録音しませんでした。なおこの曲では二重録音をしています。
ピアノと管楽器のための五重奏曲は1989年に52歳で亡くなったオグドンをピアニストに迎えた貴重な録音でした。管楽器の調和のとれた響きが大変きれいで、第3楽章の緊張感はまたよいものです。 |
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