バリー・タックウェル

ブラームス/ホルン三重奏曲変ホ長調(1968)
CD(LONDON POCL-9669)

1.フランク/ヴァイオリン・ソナタ イ長調
2.ブラームス/ホルン三重奏曲変ホ長調Op40
3.シューマン/アダージョとアレグロ
4.サン=サーンス/ロマンスOp67

 バリー・タックウェル(ホルン)(2〜4)
 イツァーク・パールマン(ヴァイオリン)(1&2)
 ウラディミール・アシュケナージ(ピアノ)(1〜4)
  録音 1968年10月(1&2)
      1974年1月、3月&12月(3&4)

 パールマンのフランクはつやのあるヴァイオリンとアシュケナージのピアノによる名盤中の名盤です。第4楽章の美しさは絶品で涙が出そうになります。
 ブラームスのホルン三重奏はタックウェルが37歳のときの録音でした。1987年に再録音していますが、パールマンとアシュケナージとのトリオは若い巨匠のぶつかりあいというよりも音楽を楽しんでいるかのようです。第2楽章においてもタックウェルはバリバリ吹くのではなく押さえの利いた滑らかなホルンです。第4楽章の速いテンポは狩のロンドのようです。タックウェルのうまさとパールマンの見事な演奏、アシュケナージのきらめくピアノは改めて聴いてみるとやはり素晴らしい演奏です。
  アダージョとアレグロはタックウェル唯一の録音で、タックウェル独特のイントネーションと音色で歌い上げる演奏はまた格別です。冒頭からクレッシェンドしてくるアダージョの響きはなんともいえません。ホルンの音にコクがあるのが不思議です。アレグロの演奏においても楽譜の奥にある音楽を見事に表現しており、アシュケナージと共に作り出す音楽は超一流です。
  サン=サーンスのロマンスOp67は世界初録音でした。1985年にも録音していますがこのアシュケナージとの共演ほど印象に残るものは他にないと思います。ふと我を忘れさせてくれます。


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