ラドヴァン・ヴラトコヴィチ

ゲオルク・H・ヴィッテ/ホルン五重奏曲変ホ長調
CD(MDG MDG943 2046-6)

ゲオルク・H・ヴィッテ/室内楽作品集
1.ピアノ五重奏曲イ長調Op5
2.ホルン五重奏曲変ホ長調Op.post.

  モーツァルト・ピアノ四重奏団
  マーク・ゴトーニ(ヴァイオリン)(1&2)
  ハルトムート・ローデ(ヴィオラ)(1&2)
  ペーター・ヘール(チェロ)(1&2)
  パウル・リヴィニウス(ピアノ)(1)
  ラドヴァン・ヴラトコヴィチ(ホルン)(2)
  コーネリア・ガルテマン(ヴァイオリン)(1&2)
   録音 2017年5月27〜29日

  ゲオルク・ヘンドリク・ヴィッテ(1843〜1929)はドイツの作曲家です。ヴィッテは指揮者として活動していて作品はほとんど知られていませんでした。
 「ピアノ五重奏曲イ長調」は1867年ころの作品。4つの楽章で構成されています。第1楽章「モデラート・アッサイ〜アレグロ・コン・フォコ」、第2楽章「ソステヌート」、第3楽章「ヴィヴァーチェ」、第4楽章「アレグロ・ジョコーソ」となっています。ブラームスのピアノ五重奏のような大作です。19世紀ロマン派の作品のように聴きやすく。きれいな主題、明るい響きで親しめる音楽です。第2楽章はピアノの主導で穏やかに始まります。第3楽章はヴィヴァーチェで快活な主題、ピアノの主導でこれも良い響きです。第4楽章は親しみやすい主題が流れます。聴いていて楽しくなります。38分の大曲です。
 「ホルンと弦楽四重奏のための五重奏曲変ホ長調」は3つの楽章で構成されています。第1楽章「アレグロ・アパッショナート」は弦楽の序奏に続いてホルンが入ってきますが華やかな主題は少なく和声のためのホルンが多いです。コーダ前にホルンのソロがあります。第2楽章「アンダンテ」は弦楽の序奏のあとにホルンの哀愁的なソロが流れます。この楽章ではホルンが独立した主題を吹いています。中間部にはホルンの軽快な主題が流れてきてホルン作品らしくなります。後半は弦楽主体でホルンは和声になります。第3楽章「アレグロ・アニマート」は軽快な主題が流れます。ホルンも出番が多いです。流麗な主題が流れます。最後はよい響きで終わります。このホルン五重奏曲は29分という大作ですが、ホルンをソロ楽器としてはあまり扱っていないので埋もれてしまったと思われます。


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