ラドヴァン・ヴラトコヴィチ

サン=サーンス/ロマンス、演奏会用小品
CD(EMI 7243 5 55587 2 5)

サン=サーンス/スパルタカス&演奏会用小品集
1.演奏会用小品Op62
  〜ヴァイオリンと管弦楽のための
2.ロマンス へ長調Op36
  〜ホルンと管弦楽のための
3.演奏会用小品Op154
  〜ハープと管弦楽のための
4.アンダルシア奇想曲Op122
  〜ヴァイオリンと管弦楽のための
5.演奏会用小品Op94
  〜ホルンと管弦楽のための
6.ロマンスOp48
  〜ヴァイオリンと管弦楽のための
7.「スパルタカス」序曲

  オリヴィエ・シャルリエ(ヴァイオリン)(1、4&6)
  ラドヴァン・ヴラトコヴィチ(ホルン)(2&5)
  マリエル・ノールマン(ハープ)(3)
  ジャン=ジャック・カントロフ指揮
  パリ管弦楽団アンサンブル
  録音 1995年4月20〜22日

 サン=サーンスの演奏会用小品を録音したアルバムです。最後に初期の作品「スパルタカス」序曲が収録されています。
 ヴァイオリンと管弦楽のための演奏会用小品はヴァイオリン協奏曲第4番として作曲されるはずだった作品の第1楽章です。未完成だったため演奏会用小品Op62として出版されています。完成された協奏曲として聞いてもおかしくない名作です。
 ロマンス へ長調はホルンのためのロマンスとして有名な作品です。ピアノ版が多く演奏されていますが本来はオーケストラ伴奏です。ヴラトコヴィチの豊かな表現力はこの小品の魅力を教えてくれます。深みのあるホルンは大変きれいです。
 ハープと管弦楽のための演奏会用小品は名手マリエル・ノールマンがソロを弾いています。フランス伝統のハープの響きは一味違います。サン=サーンス最晩年の作品で13分の大作。
 アンダルシア奇想曲はヴァイオリンと管弦楽のための作品でこちらは1904年69歳の時に書かれています。スペイン情緒を感じさせます。シャルリエの技巧的な演奏が素晴らしい。
 ホルンと管弦楽のための演奏会用小品はピアノ版がありますが、オーケストラ版は迫力があります。ヴラトコヴィチのホルンは豊かな響きでこの楽器の魅力をたっぷり味わうことができます。このオーケストラ版は録音が多くはありませんのでヴラトコヴィチが録音してくれたことに感謝です。
 ヴァイオリンと管弦楽のためのロマンスは1876年30歳頃の作品です。美しいロマンスで6分ほどの小品です。
 「スパルタカス」序曲はパリの国立図書館で発見された28歳の時の作品です。録音はほとんどないと思われますが、ロマンティックな作品で14分を超える大作です。


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