T・ファン・デァ・ズヴァールト

バッハ/ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調(2006)
CD(BRILIANT CLASSICS 93125)

バッハ/ブランデンブルク協奏曲全集
CD1
1.ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調BWV1046
2.      〃       第2番ヘ長調BWV1047
3.      〃       第3番ト長調BWV1048
CD2
4.ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調BWV1049
5.      〃       第5番ニ長調BWV1050
6.      〃      第6番変ロ長調BWV1051

  レミー・ボーデ(ヴァイオリン)(1、2、4&5)
  トゥーニス・ファン・デァ・ズヴァールト
      (ナチュラルホルン)(1)
  エルヴィン・ヴィーリンガ(ナチュラルホルン)(1)
  フランク・デ・ブルーイン(オーボエ)(1&2)
  ウィリアム・ヴロス(トランペット)(4)
  ピーター=ヤン・ベルダー(リコーダー)(2&4)
  サスキア・コーレン(リコーダー)(4)
  ウィルバート・ハーゼルツェット(トラヴェルソ)(5)
  ピーター=ヤン・ベルダー(チェンバロ)(5)
  ピーター=ヤン・ベルダー指揮
   ムジカ・アムフィオン
    録音 2006年5月&6月

 オリジナル楽器のムジカ・アムフィオンによるバッハのブランデンブルク協奏曲です。ムジカ・アムフィオンはベルダー率いるオランダの合奏団です。
 ブランデンブルク協奏曲第1番はオランダの名ホルン奏者トゥ−ニス・ファン・デァ・ズヴァールトがホルンを吹いている注目の録音です。ナチュラルホルンの音色は柔らかでしっとりとした雰囲気のきれいなホルンです。ヴィーリンガとの息がぴったりで良い和音を作っています。3本のバロックオーボエとヴァイオリン(ヴァイオリーノ・ピッコロ)の響きも素晴らしく、良い響きになっています。この楽章ではホルンがレガートでなめらかにスラーを使いながら流麗な演奏です。第2楽章のオーボエとヴァイオリンも素晴らしい。ウィンナオーボエのような音色は古楽器の魅力です。第3楽章はホルンが実にきれいです。ヴァイオリンのソロも爽やかです。第4楽章のメヌエットは速めのテンポで演奏しています。第1トリオのオーボエとファゴットはオーボエのやわかな響きがきれいです。中間部のポロネーズは速めのテンポでレガートを使いながら表情豊かな演奏になっています。第2トリオのホルンとオーボエの演奏はでホルンの響きがきれいで大変素晴らしい演奏です。ナチュラルホルンでは群を抜く演奏です。
 第2番はクラリーノ・トランペットとバロック・オーボエの温かい響きがたまりません。またリコーダーの響きもきれいです。トランペットの響きは強烈ではありませんので良いハーモニーになっています。第2楽章はヴァイオリンとオーボエ、リコーダーのトリオ・ソナタのようですが、楽器のひなびた音色がたまりません。第3楽章ではトランペットの高域の音がきれいです。オーボエの高音ともよく溶け合います。この演奏も素晴らしいものです。
 第3番はテンポのやや速い演奏です。1拍目にアクセントをつけたこれも見事な演奏です。第2楽章のアダージョにはヴァイオリンンのカデンツァが入ります。第3楽章のアレグロは弦楽のアンサンブルが素晴らしい。
 第4番は2本のリコーダーが主役の名曲です。指揮のベルダーはリコーダーも吹く多彩な音楽家です。ヴァイオリンは良い響きを出しています。2本のリコーダーの作る和音の美しさにはしびれます。
 第5番の演奏は冒頭の重厚な響きの弦楽合奏によて始まります。トラヴェルソ・フルート、ヴァイオリン、チェンバロが対話するように絡み合う演奏が優雅に響きますが、ヴァイオリンの音色の良さには驚きます。ベルダーの長大なチェンバロ・ソロがまた素晴らしい。第2楽章はフルートのやわらかな響きがきれいです。トリオ・ソナタを聞いているかのようです。第3楽章の弾むようなリズムはヴァイオリンとトラヴェルソ・フルートの息の合った演奏が見事。
 第6番はヴィオラ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェロ、コントラバスとチェンバロだけによるいわば中低音楽器だけによる演奏です。
第1楽章はヴィオラとガンバが主役でシンコペーションの主題が交錯しますがこの演奏は重厚でありながら華やかさを感じさせます。明るい音色です。第2楽章はガンバが抜けてヴィオラとチェロが悠々と演奏します。チェンバロが優雅な音を出しています。第3楽章は全合奏でフーガのように追いかけてゆく主題が繰り返されています。これもまた素晴らしい演奏です。粒ぞろいのメンバーによる演奏は神々しくさえ感じます。


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