ラドヴァン・ヴラトコヴィチ

ヒンデミット/アルトホルンとピアノのためのソナタ(1996)
CD(MDG 304 0696−2)

 ヒンデミット/ソナタ作品集
1.トランペットとピアノのためのソナタ(1939)
2.オルガン・ソナタ第1番(1937)
3.オルガン・ソナタ第2番(1937)
4.オルガン・ソナタ第3番(1940)
5.ホルンとピアノのためのソナタ(1943)

アンサンブル・ヴィラ・ムジカ
ハンネス・ロイビン(トランペット)(1)
ラドヴァン・ヴラトコヴィチ(ホルン)(5)
カレ・ランダル(ピアノ)(1&5)
ロザリンデ・ハース(オルガン)(2〜4)
 録音 1996年3月7〜9日

 ヒンデミットのソナタ全集の第6集になります。オルガン・ソナタや金管のソナタが収録されています。
 トランペットとピアノのためのソナタは1939年の作品。ハンネス・ロイビンのトランペット・ソロによる演奏です。3つの楽章からなり、冒頭明るい響きの主題が出てきます。各楽章で素晴らしい演奏を聞かせてくれます。ピアノは華麗な響きを出しています。第3楽章は大変感動的な響きになっています。
 オルガン・ソナタ第1番は1937年、 オルガン・ソナタ第2番も1937年の作品です。オルガン・ソナタ第3番は1940年の作品です。いずれもロザリンデ・ハースのオルガン独奏です。オルガン・ソナタ第1番は2つの楽章、第2番と第3番は3つの楽章で構成されています。第1番は大迫力で特に第2楽章は
長いので壮大な響きになります。第2番はやや短い楽章が3つですが、第2楽章の神秘的な響き、第3楽章の天国的な響きは素晴らしいものです。第3番も短い楽章が3つですが、教会ソナタ風でオルガンによる物語のような作品です。
 ホルンとピアノのためのソナタは1943作のアルト・ホルン・ソナタです。ヴラトコヴィチはフレンチホルンで演奏しています。4つの楽章で構成されています。第1楽章はヴラトコヴィチのホルンが柔らかな響きで素晴らしいものです。第2楽章の快活で明るい響きも素晴らしいものです。ピアノも良い響きです。
第3楽章の哀愁的な主題の表現力は素晴らしいものです。感動的です。第4楽章の前の「ポストホルン」と題した対話の挿入はありません。第4楽章冒頭のピアノの華麗な響きと続くホルンの美しい響きが素晴らしいです。ヴラトコヴィチの名演が光ります。絶賛したいです。


トップへ
戻る
前へ
次へ