ラドヴァン・ヴラトコヴィチ

オンスロウ/木管五重奏曲/他(2016〜17)
CD(WANER 0190295285685)

ロマンティックな作品集
1.クルークハルト/木管五重奏曲ハ長調Op79
2.オンスロウ/木管五重奏曲ヘ長調Op81
3.シュポア/ピアノと管楽のための
          五重奏曲ハ短調Op52

 レ・ヴァン・フランセ
 エマニュエル・パユ(フルート)
 フランソワ・ルルー(オーボエ)(1&2)
 ポール・メイエ(クラリネット)
 ラドヴァン・ヴラトコヴィチ(ホルン)
 ジルベール・オーダン(バソン)
 エリック・ル・サージュ(ピアノ)(3)
 録音 2017年1月6日(1)
     2016年4月4日(2)
     2017年1月7日(3)
  ミュンヘン、バイエルン放送スタジオ

 レ・ヴァン・フランセによる19世紀のロマンティックな作品集です。
 アウグスト・クルークハルト(1847-1902)はドイツの作曲家です。木管五重奏曲ハ長調は4つの楽章で構成されています。第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」木管の美しい響きがあります。途中からホルンが加わると深い響きになります。フルートの美しい響きが光ります。第2楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」は各楽器が細やかな主題を交互に演奏します。スケルツォ風の楽しい楽章です。第3楽章「アンダンテ・グラチオーソ」はオーボエの美しいソロに始まり、フルートが加わって、五重奏の良い響きになります。第4楽章「アダージョ、アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ、ピューモッソ」は穏やかな序奏に始まり、アレグロ・モルトからはにぎやかになります。細やかなフレーズが続きます。木管五重奏の美しさが際立っています。さすがはレ・ヴァン・フランセです。
 ジョルジュ・オンスロウ(1784-1853)はフランスの作曲家です。木管五重奏曲ヘ長調は4つの楽章で構成されています。第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」はフランスの音楽の明るさを感じさせる素晴らしさがあります。フルートのきらめきの美しさ、バソンとホルンのやわらかな響きの美しいこと、レ・ヴァン・フランセのフランスものは絶品です。第2楽章「スケルツォ、エネルジコ−ポコ・ピューレント」は楽しいスケルツォです。細やかなフレーズが続きます。よいアンサンブルです。第3楽章「アンダンテ・ソステヌート」はオーボエの美しい主題に始まります。この穏やかな楽章は木管が活躍しますので、ホルンは和音になります。第4楽章「フィナーレ、アレグロ・スピリチュオーソ」は軽快なテンポで進みます。各楽器がソロを歌いながら素晴らしいアンサンブルを奏でています。この作品も良い作品です。
 ルイ・シュポア(1784-1859)はドイツの作曲家です。ピアノと管楽のための五重奏曲ハ短調は4つの楽章で構成されています。第1楽章「アレグロ・モデラート」はピアノと管楽器の厚い響きに始まります。ピアノのリードで管楽器のソロが生き生きとしています。ホルンの響きもきれいです。第2楽章「ラルゲット・コン・モト」は穏やかな楽章、ピアノの優しい響きと管楽器のバランスの良さがこの演奏の素晴らしいところです。第3楽章「メヌエット:アレグレット」は速めのメヌエットです。ホルンがよく歌います。ヴラトコヴィチのホルンがよく響きます。ピアノのソロも多いです。第4楽章「フィナーレ、アレグロ・モルト」は全合奏に始まって、快速なテンポで進みます。ここでもピアノの華麗な響きがあります。ホルンもよく響きます。木管四重奏とピアノの厚い響きが素晴らしい作品です。  レ・ヴァン・フランセの名演奏には感動しました。


トップへ
戻る
前へ
次へ