ラドヴァン・ヴラトコヴィチ

ヒンデミット/テナーホルンとピアノのためのソナタ(2017)
CD(WANER 0190295044411)

ヒンデミット/管楽器のソナタ集
1.フルートとピアノのためのソナタ(1936)
2.オーボエとピアノのためのソナタ(1938)
3.クラリネットとピアノのためのソナタ(1939)
4.ファゴットとピアノのためのソナタ(1938)
5.テナーホルンとピアノのためのソナタ(1943)

 レ・ヴァン・フランセ
 エマニュエル・パユ(フルート)(1)
 フランソワ・ルルー(オーボエ)(2)
 ポール・メイエ(クラリネット)(3)
 ジルベール・オーダン(バソン)(4)
 ラドヴァン・ヴラトコヴィチ(テナーホルン)(5)
 エリック・ル・サージュ(ピアノ)(1-5)
 ルカ・ヴラトコヴィチ(朗読)(5)
 ジョセフィーヌ・ブロープ(朗読)(5)
 録音 2016年1月3〜5日(1〜3)
     2016年4月4日(4)
     2017年1月6日(5)

 レ・ヴァン・フランセによる、ヒンデミットの管楽器のためのソナタ集です。ヒンデミットは木管楽器と金管楽器のためにソナタを書いていました。
 「フルートとピアノのためのソナタ」はパユのフルート・ソロです。3つの楽章を美しいフルートで歌います。ヒンデミットのフルート・ソナタを素晴らしい作品に仕上げてくれました。第3楽章の華やかなフルートの響きが大変素晴らしいものです。
 「オーボエとピアノのためのソナタ」はフランソワ・ルルーのオーボエ・ソロによる演奏です。2つの楽章をやわらかな響きのオーボエで演奏しています。エリック・ル・サージュのピアノがまた華麗な響きで素晴らしいものです。第2楽章のゆったりとしたオーボエの美しい響きには感動です。
 「クラリネットとピアノのためのソナタ」はポール・メイエのクラリネット・ソロによる演奏です。フランスのクラリネットは明るく美しい響きに感動します。メイエの演奏は4つの楽章を華麗に、そして時にはさわやかに、クラリネットの美しい響きを楽しませてくれます。第3楽章は大変美しい響きです。
 「ファゴットとピアノのためのソナタ」はジルベール・オーダンのバソン・ソロです。(フランスではファゴットはバソンです)2つの楽章で構成されています。第1楽章の穏やかな主題をやわらかな響きのバソン(ファゴット)で演奏してくれます。第2楽章はテンポの変化もあって楽しいです。バソンのきれいなビヴラートはフランスの管楽器の明るさが感じられます。マルシェからパストラーレになると穏やかで美しい響きになります。
 「テナーホルンとピアノのためのソナタ」はヴラトコヴィチのテナーホルン演奏です。テナーホルンとアルトホルンは同じものです。第1楽章の穏やかな主題の演奏はさわやかなホルンの響きが感じられます。第2楽章は速めのテンポで演奏するヒンデミットらしいものです。ヴラトコヴィチのうまさが光ります。第3楽章は遅いテンポの楽章です。短いですが美しいホルンが歌われます。そして第4楽章の前に「ポストホルン」という詩の朗読(対話)がありますが、この録音では演奏者ではなく、ルカ・ヴラトコヴィチとジョセフィーヌ・ブロープが朗読します。知らずに聴くと女性の声に驚きます。第4楽章のは華やかなピアノに始まります。そして美しいホルンの歌が入ります。ヒンデミットのアルトホルン・ソナタは味わい深いものがあります。ヴラトコヴィチの演奏は素晴らしいものです。


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