オンドジェイ・ヴラベッツ

英国のホルン音楽
CD(Sheva SH241)

英国のホルン音楽
1.シーボーン/ミルフィオリ
     〜4本のホルンのためのファンファーレ
2.ホロウェイ/パルティータ第1番
    〜ホルン独奏のための
3.シーボーン/エンカウンター
  〜2本のホルンのための
4.ホロウェイ/パルティータ第2番
  〜ホルン独奏のための
5.  〃  /ラメント(嘆き)
  〜4本のホルンのための
6.シーボーン/ブラック・ペガサス
  〜ホルンとピアノのための
7.  〃  /ジュリーの踊り
  〜ホルン独奏のための

 オンドジェイ・ヴラベッツ(ホルン)(1〜7)
 ハナ・サプコヴァ(ホルン)(1、3&5)
 ダニエラ・ロウビチョヴァ(ホルン)(1&5)
 ミカエラ・ヴィンツェンコヴァ(ホルン)(1&6)
 坂本峰央(ピアノ)(5)
 録音 2019年

 チェコ・フィルの首席ホルン奏者オンドジェイ・ヴラベッツによる現代イギリスの作曲家による作品の演奏です。2本のホルンと4本のホルンのアンサンブル作品もあります。
 ピーター・シーボーン(1960〜)の「ミルフィオリ」は千の花という意味のイタリア語で、このファンファーレはこのアルバムの冒頭を飾る小品です。4本のホルンが明るく歌います。ヴラベッツ以外のホルン奏者は女性です。
 ロビン・ホロウェイ(1943〜)はタックウェルにホルン協奏曲を書いています。このパルティータ第1番も1985年にタックウェルのために書かれていました。この作品は無伴奏ホルンのための作品で、バッハのパルティータにならって「プレリュード」「クーラント」「サラバンド」「ルール」「ジーグ」の5つの小品の組曲です。バッハの無伴奏チェロ組曲をホルンで演奏することがありますが、この作品はオリジナルの無伴奏ホルンのためのものです。ヴラベッツの演奏は素晴らしいものです。
 シーボーンの「エンカウンター(出会い、または対戦)」は2本のホルンのための作品。2019年にヴラベッツのために書かれています。組曲で「牧歌」「スケルツォ」「間奏曲」「ロマンス」「フィナーレ・セリオーソ」の5つの小品によります。ヴラベッツとハナ・サプコヴァの息の合ったホルンの対話が見事な演奏を繰り広げます。「スケルツォ」はミュートを使って独特の響きになっています。「ロマンス」は」二人が語り合うような演奏です。
 ホロウェイの「パルティータ第2番」は無伴奏ホルンのための作品で、1985年にジョン・ケーリガンのために書かれました。この組曲は「プレリュード」「ガヴォット&ミュゼット」「サラバンド」「アイルランド風」「ジーグ」の5つの小品になります。「ガヴォット&ミュゼット」の軽やかな演奏はホルンの美しい響きが素晴らしいです。「アイルランド風」という曲はイギリスの作品らしい民謡風の美しい小品です。「ジーグ」もヴラベッツのホルンは素晴らしいです。
 ホロウェイの/ラメント(嘆き)は4本のホルンのための作品。原曲は2本のホルンの作品でしたが、4本のホルンに書き換えられています。悲しい嘆きの歌です。
 シーボーンの「ブラック・ペガサス」はホルンとピアノのためのラプソディです。2018年にヴラベッツのために書かれています。冒頭から馬のギャロップが馬が駆けるように歌われます。ピアノは坂本峰央(さかもと みお)です。多彩な響きでこの作品を素晴らしいものにしています。ヴラベッツのホルンもまた素晴らしい演奏です。
 シーボーンの「ジュリーの踊り」は無伴奏ホルンのための作品。ジュリーとはヴラベッツのお嬢さんの名前です。そのジュリー(ジャケット写真)のダンスを7つのダンス音楽にしたものです。第1曲「赤ちゃんの踊り」は動きのある小品、第7曲「リンガ・リンガ・ローズ」はタランテラになっています。楽しい作品です。


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