フランク・ロイド

シューベルト/八重奏曲ヘ長調
CD(Virgin cassics VC 7 90731-2)

シューベルト/八重奏曲ヘ長調Op166、D803
  〜2つのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、
   コントラバス、クラリネット、ホルンと
  ファゴットのための

 ナッシュ・アンサンブル
  マイケル・コリンズ(クラリネット)
  フランク・ロイド(ホルン)
 ブライアン・ワイトマン(ファゴット)
 マルシア・クレイフォード(ヴァイオリン)
 ジェレミー・ウィリアムズ(ヴァイオリン)
 ロジャー・チェイス(ヴィオラ)
 クリストファー・ファン・カンペン(チェロ)
 ロドニー・スラットフォード(コントラバス)
  録音 1987年12月

 イギリスのナッシュ・アンサンブルによるシューベルトの八重奏曲です。
 シューベルトの八重奏曲は演奏に1時間もかかる大曲で室内アンサンブルのための交響曲といえます。1824年に書かれており「未完成」と「ザ・グレート」の間になります。シューベルトはホルンを大切にした曲が多いのですが、この曲にも重要なメロディーを吹かせています。
 第1楽章は前奏のアダージョから良い響きが聞かれます。続くアレグロでは素晴らしいアンサンブルが聞かれます。クレイフォードのヴァイオリンとコリンズのクラリネットが良い響きで歌います。続くフランク・ロイドのホルンが大変よい響きで流麗な演奏をしています。この楽章では同じ音型が楽器を変えてなんども繰り返されます。実に楽しいフレーズです。コーダはファゴットに始まって主題が各楽器に受け継がれながらホルンの素晴らしいソロで終わります。第2楽章:アダージョはコリンズのクラリネットで始まる穏やかな雰囲気がきれいです。そしてクラリネットとヴァイオリンの対話がまた美しいです。中間部では緻密なアンサンブルが素晴らしい。フランク・ロイドのホルンとクレイフォードのヴァイオリンとの対話がまたきれいです。コーダのコントラバスのピツィカートは印象的です。
 第3楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェは快活なスケルツォです。このアンサンブルの見事な演奏はシューベルトの音楽の美しさを改めて感じます。ユニゾーンの響きがきれいです。トリオも素晴らしい演奏です。第4楽章:アンダンテは主題と7つの変奏曲、シューベルトの歌劇「サラマンカの友人」から使われた主題に始まります。クラリネットとヴァイオリンの変奏が素晴らしい響きです。クラリネット、ファゴットとホルンの変奏も絶妙です。フランク・ロイドの吹くホルンの変奏が大変素晴らしい演奏で、絡むヴァイオリンもまた良い響きです。続くチェロの変奏も絶妙です。変化に富んだ7つの変奏曲は名作といえましょう。
 第5楽章:メヌエットはこの曲の中でも最も美しいといえる楽章です。クラリネットの美しい主題が流麗に歌われ弦楽器、ホルンに受け継がれていきます。クラリネット、ファゴット、弦楽器のユニゾーンの美しい響きもあって、優雅なメヌエットです。コリンズのクラリネットが素晴らしいです。第6楽章:アンダンテ・モルト〜アレグロはシューベルトの音楽の美しさがあります。劇的な前奏に続くアレグロはオーケストラのような素晴らしいアンサンブルでまとめています。演奏時間60分02秒。


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