フランク・ロイド

NO LIMITS/バッハ/トッカータとフーガ/モンティ/チャールダーシュ、他
CD(Music Tobi CD 01161)

NO LIMITS
1.リムスキー・コルサコフ/熊蜂の飛行(ロイド編)
2.バッハ/トッカータとフーガ ニ(ヘ)短調
      (ゾルト&ロイド編)
3.ボロディン/小組曲より間奏曲(リモン編)
4.アシュトン/ジャスト・イン・タイム
5.クライスラー/コレルリの主題による変奏曲
               (ハーヴェイ編)
6.ボロディン/小組曲よりマズルカ(リモン編)
7.ゾルト/ハッピー・ブルース
8.ロッシーニ/前奏曲、主題と変奏
9.ボロディン/小組曲よりノクターン(リモン編)
10.アーバン/ヴェニスの謝肉祭
11.パガニーニ/カプリース第17番(ロイド編)
12.ボロディン/小組曲よりエレジー(リモン編)
13..モンティ/チャールダーシュ(ロイド編)
14.ボロディン/小組曲よりセレナーデ(リモン編)
15.ペパーカンプ/ファイアダンス
16.ジャクソン/エチュード「悪くしないで」
17.アーバン/チロリアン(ハーヴェイ編)

  フランク・ロイド(ホルン)(1〜17) 
  マキシム・シャモ(ピアノ)
   (1、3、5、6、8、9、10、12、13、14&17)
   録音 2015年12月3〜7日

 フランク・ロイドの・アルバムです。無伴奏ホルンの作品とピアノ伴奏の作品を録音しました。
 リムスキー・コルサコフの「熊蜂の飛行」は歌劇「サルタン皇帝の物語」の第3幕前奏曲が原曲で、いろいろの楽器のため編曲されていますがフランク・ロイドが編曲したホルン版は驚きの演奏です。息つく間のないような凄技です。
 バッハの「トッカータとフーガ ニ短調といえばオルガン曲の傑作です。ストコフスキーはオーケストラに編曲しましたが、これはゾルトとフランク・ロイドがヘ短調にして無伴奏ホルンのために編曲したものです。単音だけでなく重音奏法をふんだんに取り入れて和音を出しています。これは超人的なテクニックを要する難曲です。フランク・ロイドの超名演が光ります。
 ボロディンの「小組曲」はピアノ作品です。グラズノフがオーケストラ用に編曲して有名になりました。メイヤー・リモンはその中から5曲を選んでホルンとピアノのために編曲しました。フランク・ロイドはこの5曲を1992年も録音していました。「間奏曲」は4分ほどの作品。美しい主題が程よいテンポで歌われます。
 グラハム・アシュトンはイギリス出身でニューヨークで活動するトランペット奏者。「ジャスト・イン・タイム」は無伴奏ホルンのために書かれた作品でアメリカのホルン奏者ピーター・レイトによって2012年に初演されています。1分ほどの小品です。パガニーニのカプリースのような作品です。
 クライスラーの「コレルリの主題による変奏曲」はヴァイオリンの名曲です。これをハーヴェイがホルンとピアノのために編曲しました。まるでオリジナルのホルン作品のようにフランク・ロイドは演奏しています。大変素晴らしい演奏です。
 ボロディンの「小組曲」より「マズルカ」はメイヤー・リモンの編曲です。原曲がピアノだけにその雰囲気が感じられます。
 ガボール・ナジ・ゾルト(1978〜)はハンガリーのホルン奏者です。「ハッピー・ブルース」は無伴奏ホルンのために書かれた作品。ジャズタイルの作品で、重音奏法も取り入れた難曲です。フランク・ロイドのホルンは素晴らしい演奏です。
 ロッシーニの「前奏曲、主題と変奏」はホルン作品の定番曲です。フランク・ロイドは1992年にも録音していました。大変素晴らしい演奏です。
 ボロディンの「小組曲」より「ノクターン」はメイヤー・リモンの編曲です。2分ほどの美しい小品です。
 ジャン=バティスト・アーバン(1825〜1889)の「ヴェニスの謝肉祭」はジュナンのフルート作品と並ぶ名曲です。コルネットのための作品をホルンで演奏しています。大変な難曲ですが、フランク・ロイドは見事な演奏を聞かせてくれます。
 パガニーニの「カプリース第17番」は無伴奏ヴァイオリンの作品ですが、トランペットやホルンで演奏されることがあります。これはフランク・ロイド自身が無伴奏ホルンのために編曲したものです。重音奏法をふんだんに取り入れた演奏は高音から下降したのち低音で重音奏法を使うもので大変演奏は難しいと思われますが、フランク・ロイドは難なく演奏しています。名演です
 ボロディンの「小組曲」より「エレジー」はメイヤー・リモンの編曲です。激しい曲のあとに聴く「エレジー」には癒されます。美しいエレジーです。
 モンティの「チャールダーシュ」はヴァイオリンの作品で名曲です。1979年にアイファー・ジェイムズがホルンで録音していました。これはフランク・ロイドの編曲です。前半の穏やかな部分と後半のジプシーヴァイオリンの歌の部分になります。ホルンの超絶技巧演奏が聴かれます。
 ボロディンの「小組曲」より「セレナーデ」はメイヤー・リモンの編曲です。短い小品ですが美しい作品です。
 リック・ペパーカンプ(1989〜)はネザーランド出身のトロンボーン奏者です。「ファイアダンス」は無伴奏トロンボーンの作品らしいです。聴けばトロンボーンで吹いているかのようなフレーズで始まります。無伴奏ホルンで演奏するのもまたいいものです。名演です。
 ティモシー・ジャクソン(1972〜)はイギリスのホルン奏者で、ロイヤル・リヴァプール・フィルの首席ホルン奏者です。エチュード「悪くしないで」 はビートルズ・ナンバーの「ヘイ、ジュード」から主題をとられたものです。無伴奏ホルン作品で、重音奏法をふんだんに使うエチュードです。聴いていると「ヘイ、ジュード」のメロディがよくわかります。
 アーバンの「チロリアン」はハーヴェイの編曲です。ホルンとピアノで歌うチロルの歌です。ヨーデルを歌うようなホルンの演奏が印象的です。素晴らしい演奏です。


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