バリー・タックウェル

モーツァルト/ホルン協奏曲第4番変ホ長調(1973)
CD(RCO 13006−70)

コンセルトヘボウ/ライヴ録音集
1.J.S. バッハ/結婚カンタータ
        「消えよ、悲しみの影」BWV202
2.モーツァルト/ホルン協奏曲第4番変ホ長調K495
3.シューマン/交響曲第3番変ホ長調Op97「ライン」

 エリー・アメリング(ソプラノ)(1)
 バリー・タックウェル(ホルン)(2)
 オイゲン・ヨッフム指揮(1)
 フェルディナント・ライトナー指揮(2&3)
 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
 録音 1973年4月5日(1)
     1973年1月7日(2&3)
      ライヴ録音

 ロイヤル・コンセルトヘボウ125周年記念アルバム152枚の中の1枚です。
  バッハの結婚カンタータ「消えよ、悲しみの影」はオイゲン・ヨッフムの指揮です。ソプラノ独唱はオランダの名ソプラノ歌手エリー・アメリング。このカンタータは世俗カンタータでカンタータ第202番になります。オーボエと弦楽と通奏低音でソプラノが歌います。アリアとレシタティーヴォで9曲が歌われます。結婚を祝福するカンタータは明るいです。
 モーツァルトのホルン協奏曲第4番はイギリスのホルン奏者バリー・タックウェルがライトナーの指揮で演奏しています。マリナーと1971年にモーツァルトのホルン協奏曲全集を録音したばかりのころでした。第1楽章の前奏から勢いのある演奏です。タックウェルのホルンは余裕のあるふくよかな響きです。滑らかなホルンが素晴らしいです。タックウェルの独特の音色がきれいです。カデンツァは1971年の録音と同じカデンツァを演奏しています。実に滑らかで、さすがにタックウェルのホルンはきれいです。第2楽章のロマンツァはオーケストラの響きもきれいですが、それ以上に美しい響きのホルンが流れます。理想的なモーツァルトです。感動的な演奏が聴かれます。第3楽章のロンドは軽快なホルンが響きます。時には哀愁的な響きも出してくれます。この作品を知り尽くしたタックウェルの表現力の素晴らしさには感動します。コーダ前に短いカデンツァが挿入されています。コーダでは力の入るホルンが響きます。
 シューマンの交響曲第3番は「ライン」の副題があって親しまれる名曲です。ライトナーの指揮でコンセルトヘボウが演奏しています。5つの楽章からなり、第1楽章冒頭の厚い響き、ホルンの迫力ある響きと、この作品の素晴らしさがわかるようです。展開部のホルンも圧倒的な響きを出しています。第2楽章のスケルツォはこの作品の聴きどころでもあります。ライトナーはやや遅めのテンポでこの楽章の美しさを表現しているようです。第3楽章の穏やか演奏は夜想曲のように美しいです。第4楽章の荘厳な響き、第5楽章の整然とした演奏はコンセルトヘボウの深い響きを聞かせてくれます。ライトナーのシューマンに感動でした。


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