サラ・ウィリス

ベートーヴェン/六重奏曲変ホ長調Op81b
CD(MDG 301 0594-2)

1.ベートーヴェン/七重奏曲変ホ長調Op20
2.    〃  /六重奏曲変ホ長調Op81b

  コンソルティウム・クラシクム
  ディーター・クレッカー(クラリネット)(1)
  カール=オットー・ハルトマン(ファゴット)(1)
  ヤン・シュレーダー(ホルン)(1)
  クラウス・ヴァレンドルフ(ホルン)(2)
  サラ・ウィリス(ホルン)(2)
  アンドレアス・クレシェル(ヴァイオリン)(1&2)
 ゲルダー・ガンナルスドッティール(ヴァイオリン)(2)
  クリスティアーヌ・ヘール(ヴィオラ)(1&2)
  マルティン・メンキング(チェロ)(1&2)
  ユルゲン・ノールマン(コントラバス)(1)
   録音 1994年9月&12月

 ディーター・クレッカーをリーダーとするコンソルティウム・クラシクムによるベートーヴェンの七重奏曲と六重奏曲です。七重奏曲でホルンを吹いているのはヤン・シュレーダーですが、六重奏曲でホルンを吹いているのは現在ベルリン・フィルのメンバーになっているクラウス・ヴァレンドルフとサラ・ウィリスの二人です。
  ベートーヴェンの七重奏曲は第1楽章の序奏の響きには厚みがります。ディーター・クレッカーのクラリネットがリードしているようです。主部のクラリネットとヴァイオリンの演奏が素晴らしいです。展開部のホルンのソロもやわらかな響きがきれいです。クラリネット、ファゴットとホルンの和音がよい響きです。第2楽章「アダージョ・カンタービレ」はクラリネットのきれいな主題に始まりヴァイオリンに受け継がれます。ファゴットとホルンのソロもあります。ホルンの哀愁的な歌がきれいです。ヴァイオリンのソロもきれいです。
 第3楽章「メヌエット」は親しみやすい主題に始まります。ヴァイオリンで始まり、木管に受け継がれていきます。トリオにはホルンの鮮やかなソロがあります。楽しそうです。第4章の主題と変奏は軽快な主題が大変きれいです。続く変奏は弦楽のスタッカートが生き生きしています。ヴァイオリンや木管楽器の変奏が楽しそうに聞こえます。ホルンの変奏も良い響きです。
 第5楽章「スケルツォ」はホルンで始まります。このホルンがリードするところが楽しいです。ヴァイオリンの細かいフレーズもきれいです。トリオではチェロが優雅に歌います。第6楽章は序奏でホルンが哀愁的な主題を吹いています。ヴァイオリンが続きます。プレストからは息の合った見事なアンサンブルを聞かせます。
ヴァイオリンが主題を提示します。ホルンの響きが印象的です。後半にヴァイオリンのカデンツァが入ります。
 六重奏曲は2本のホルンと弦楽四重奏のための作品です。ベルリン・フィルのメンバーらしく研ぎ澄まされたテクニックと豊かな響きのホルン・デュオです。ベートーベンのホルン作品では唯一協奏的な作品です。ヴァレンドルフとサラ・・ウィリスのホルンで聴く六重奏曲は絶品です。第2楽章のホルンの和音が大変良い響きです。第3楽章の速いテンポは第2ホルンのサラ・ウィリスの鮮やかなフィンガリングが凄いです。絶賛したい演奏です。


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