エーリヒ・ペンツェル

ハイドン/ホルン協奏曲第2番ニ長調
CD(EMI CDZ2521582)

ハイドン/管楽器のための協奏曲集
1.トランペット協奏曲変ホ長調Hob.Ze−1
2.フルート協奏曲ニ長調Hob.Zf−D1
3.オーボエ協奏曲ハ長調Hob.Zg−C1
4.ホルン協奏曲第2番ニ長調Hob.Zd−4

 ヘルムート・シュナイデヴィント(トランペット)(1)
 ヴァレリー・ノアック(フルート)(2)
 ヘルムート・フッケ(オーボエ)(3)
 エーリヒ・ペンツェル(ホルン)(4)
 フリッツ・レーハン指揮
 コンソルティウム・ムジクム
 録音 1964年6月8〜14日

 ハイドンの管楽器のための協奏曲集ですが、ハイドンのオリジナル作品はトランペット協奏曲だけであとの3曲は他の作曲家による作品で、ハイドンの作として演奏されてきたものです。
 トランペット協奏曲変ホ長調は古今のトランペット協奏曲作品の最高峰で傑作中の傑作です。古くから演奏され愛されてきた作品です。この作品は音階が吹けるようにキーをつけたトランペットが出来たころに書かれたもので素晴らしいメロディーと荘厳な響きもあって何度聴いてもよいものです。シュナイデヴィントの演奏は完璧でモーリス・アンドレにも引けをとらない名演です。
 フルート協奏曲ニ長調はハイドンの作とされてきましたが、レオポルド・ホフマンの作曲ということです。それでもハイドンの作品とされてきましたので現代でもよく演奏されます。ヴァレリー・ノアックのフルートはしっとりとした響きで美しい演奏です。宮廷時代の音楽として愛聴されたことでしょう。
  オーボエ協奏曲ハ長調もハイドン作として知られる作品ですが真作ではないものの作曲者がわからないということで「伝ハイドン作」として演奏されます。ハ長調の重厚な響きは素晴らしいものでオーボエのソロを支えるオーケストラはソロの無いときに盛り上がりをみせます。フッケはドイツの名オーボエ奏者です。
 ホルン協奏曲は第1番が真作ですが、第2番は弟のミヒャエル・ハイドンの作ではないかといわれます。ホルン協奏曲第2番はモノラルではヴェスコーヴォの録音がありますがステレオ録音はペンツェルが初めてでした。ペンツェルは第1番をコレギウム・アウレウムと録音していましたので2曲とも録音したことになります。ペンツェルのホルンは第1番と同様に独特の音色とフレージングが特徴です。カデンツァが見事なものでオリジナルの素晴らしいものです。第2楽章の流麗な演奏も魅力で、第3楽章の軽やかな演奏も素晴らしいものです。カデンツァは長いもので素晴らしい演奏です。ペンツェルのトリルといってもよい独特のトリルがあります。


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