ジェフリー・パワーズ

フランドルのホルンとピアノのための作品集
CD(MSR MS1266)

フランドルのホルンとピアノのための作品集
1.アルテュール・ミュールマン/前奏曲(1961)
2.モーテルマン/リリカル・パストラール(1910)
           (抒情的田園曲)
3.マルセル・ポー/伝説(1958)
4.ヴァン・エーショート/夜のポエム(1963)
5.ウェステルリンク/マクルー(1975)
       〜ホルン・ソロのための
6.ポール・ジルソン/5つの前奏曲(1913〜14)
7.リェラント/ホルン・ソナタOp18(1897)

  ジェフリー・パワーズ(ホルン)
  ヴァンサン・ドヴリース(ピアノ)
  録音 2007年12月11〜13日

 ベルギーのロイヤル・フランダース・フィルで首席ホルン奏者を16年つとめたジェフりー・パワーズがベルギーの作曲家によるホルンの作品を録音しました。ポーの「伝説」以外の曲は今まで録音されたことはないようです。
 ミュールマンのプレリュードは2分ほどの小品です。大変穏やかな曲でリサイタルにもってこいの曲でしょう。モーテルマンのリリカル・パストラールは1910年の作で、7分ほどの作品、ピアノも魅力的でホルンのロマンティックなメロディーもきれいです。
 ポーのレジェンドはホルン奏者のリサイタルによく取り上げられる曲です。穏やかな部分と速いフレーズの部分があって魅力的な作品でしょう。エーショートの「夜のポエム」は7分ほどの曲です。1963年の作品ですがピアノもホルンもロマンティックな響きが魅力でしょう。穏やかなメロディーが美しいです。
 ウェスターリンクの「マクルー」は独奏ホルンのための作品です。ルーアンのサン・マクルー(Saint Maclpu)教会の美しいゴシック建築から受けた印象を音楽にしたものです。冒頭ではミュートを使っていて、はずしてからの激しい音の連続は建築の高さを思わせます。
 ジルソンの5つの前奏曲は5つの組曲となっています。テンポが緩急の変化があって飽きさせません。演奏も楽しいでしょう。最後のリェラントのホルン・ソナタだけが19世紀末の作品です。2つの楽章からなっていて実にロマン的な曲です。第2楽章の冒頭はアレグロでちょっとヴィンターの「狩人の月(ハンターズ・ムーン)のような音型にびっくりです。このアルバムはどれも魅力的な曲です。これから広く演奏されても良いと思います。


トップへ
戻る
前へ