アンネケ・スコット

バッハ/ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調
CD(Soli Deo Gloria SDG 707)2枚組

バッハ/ブランデンブルク協奏曲全集
 CD1
1.ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調BWV1046
2.    〃      第2番ヘ長調BWV1047
3.    〃      第3番ト長調BWV1048
CD2
4.ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調BWV1049
5.    〃      第5番ニ長調BWV1050
6.    〃     第6番変ロ長調BWV1051

  カティ・デブレツェニ(ヴァイオリン)(1、2、4&5)
  アンネケ・スコット(ナチュラルホルン)(1)
  デイヴィッド・ベントリー(ナチュラルホルン)(1)
  マイケル・ニースマン(オーボエ)(1&2)
  モーリー・マーシュ(オーボエ)(1)
  カテリーヌ・レイサム(オーボエ)(1)
       〃     (リコーダー)(4)
   フィリップ・ターベット(ファゴット)(1)
   レイチェル・ベケット(リコーダー)(2&4)
   ニール・ブラウ(トランペット)(2)
   レイチェル・ベケット(フルート)(5)
   マルコルム・プラウド(チェンバロ)(5)
   ジョン・エリオット・ガーディナー指揮
   イングリッシュ・バロック・ソロイスツ
    録音 2009年4月

  オリジナル楽器のイングリッシュ・バロック・ソロイスツによるバッハのブランデンブルク協奏曲です。
  ブランデンブルク協奏曲第1番はやや速いテンポでナチュラルホルンがさわやかに響きます。太い響きではなくホルンらしい音です。高音もきれいな音色です。バロックオーボエとヴァイオリン(ヴァイオリーノ・ピッコロ)との調和のとれた録音になっています。第2楽章のオーボエとヴァイオリンが実に素晴らしい。オーボエのやわらかな響きがチャーミングです。第3楽章はホルンが楽しそうです。速いテンポで演奏しています。ヴァイオリン・ソロは力強く弾いています。第4楽章のメヌエットはやや速めのテンポで演奏しています。第1トリオのオーボエとファゴットはやわらかな響きが大変きれいです。中間部のポロネーズはまさにダンスのようです。第2トリオのホルンとオーボエの演奏は強弱をつけたものでホルンの閉止音はきれに響いています。大変素晴らしい演奏です。
  第2番はクラリーノ・トランペットとバロック・オーボエの温かい響きがたまりません。またリコーダーの響きもきれいです。第2楽章はヴァイオリンとオーボエ、リコーダーのトリオ・ソナタのようでバロック音楽の真髄を聞くようです。第3楽章ではトランペットの高域の音が飛び交いますので華やかです。オーボエの高音もよく溶け合います。ヴァイオリンとリコーダーも良い演奏になっています。
  第3番はテンポのやや速い演奏です。弦楽の美しさがあります。第2楽章のアダージョにはヴァイオリンの長いカデンツァが入ります。第3楽章のアレグロはプレストのような速さで弦楽が素晴らしい。
  第4番は2本のリコーダーが主役の名曲です。この演奏ではリコーダーがキレの良い吹き方をしています。またヴァイオリンがソロ楽器に加わりますが、このソロがまた素晴らしい。第3楽章における調和のとれた演奏もききどころでしょう。
  第5番の演奏は古楽器の弦楽合奏による独特の響きで始まります。やや速めのテンポですがトラヴェルソ・フルート、ヴァイオリン、チェンバロが対話するように絡み合う演奏が優雅に響きます。プラウドの長大なチェンバロ・ソロがまた素晴らしい。第2楽章はフルートのやわらかな響きとヴァイオリンの対話がきれいです。第3楽章の跳ねるようなリズムはヴァイオリンとトラヴェルソ・フルートの息の合った演奏が聴きどころでしょう。 
  第6番はヴィオラ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェロ、コントラバスとチェンバロだけによるいわば中低音楽器だけによる演奏です。
 第1楽章はヴィオラとガンバが主役でシンコペーションの主題が交錯しますがテンポの速い演奏になっています。第2楽章はガンバが抜けてヴィオラとチェロが悠々と演奏します。第3楽章は全合奏でフーガのように追いかけてゆく主題が繰り返されています。これも素晴らしい演奏です。


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