ゲルト・ザイフェルト

モーツァルト/ホルン五重奏曲変ホ長調(1969)
CD(DGG POCG-2237/9)3枚組

モーツァルト/弦楽五重奏曲全集
CD1
1.弦楽五重奏曲第1番変ロ長調K174
2.弦楽五重奏曲第2番ハ短調K406(516b)
3.ホルン五重奏曲変ホ長調K407(386c)
CD2
4.弦楽五重奏曲第3番ハ長調K515
5.弦楽五重奏曲第4番ト短調K516
CD3
6.弦楽五重奏曲第5番ニ長調K593
7.弦楽五重奏曲第6番変ホ長調K614

アマデウス弦楽四重奏団
ノルベルト・ブレイニン(第1ヴァイオリン)(1〜7)
ジークムント・ニッセル(第2ヴァイオリン)(1、2&4〜7)
     〃       (第2ヴィオラ)(3)
ペーター・シドロフ(ヴィオラ)(1〜7)
マーティン・ロヴェット(チェロ)(1〜7)
セシル・アロノヴィッツ(第2ヴィオラ)(1、2&4〜7)
ゲルト・ザイフェルト(ホルン)(3)
  録音 1974年9月(1)ウィーン
      1968年5月(2)ベルリン
      1969年9月(3&5)ベルリン
      1967年5月(4)ベルリン
      1968年4月(6&7)ベルリン

 アマデウス弦楽四重奏団によるモーツァルトの弦楽五重奏曲全集です。第2ヴィオラにアロノヴィッツが参加しています。ホルン五重奏曲も録音されていました。
 モーツァルトの弦楽五重奏曲第1番は1733年モーツァルト17歳の作で弦楽四重奏曲第8番〜第13番を作曲していた時期に書かれています。明るく楽しい作品で4つの楽章で交際されています。
 弦楽五重奏曲第2番ハ短調は管楽器のためのセレナード第12番ハ短調K388から1787年に編曲したものです。管楽器のセレナードのように重厚さはありませんが弦楽器のさわやかな響きもまた美しいものです。この弦楽五重奏曲から木管五重奏に編曲した楽譜も出版されています。4つの楽章で構成されています。
 ホルン五重奏曲変ホ長調は弦楽四重奏の第2ヴァイオリンがヴィオラに持ち替えてヴィオラが2本になっている珍しい編成になっています。ホルンはベルリン・フィル首席だったゲルト・ザイフェエルトが演奏しています。ザイフェルト2回目の録音で実に滑らかな演奏をしています。第1楽章:アレグロはレガートのきれいなホルンが素晴らしいです。第2楽章:アンダンテはモーツァルトの美しい主題が朗々と歌われます。第3楽章のアレグロは軽快なホルンで楽しそうに演奏しています。ザイフェルトの3つの録音ではもっとも流麗な演奏と思います。コーダ前にこの録音ではカデンツァの挿入はありません。
 弦楽五重奏曲第3番と第4番は1787年に第2番と同時期に作曲されています。第3番の第1楽章では冒頭のチェロによる上昇音階が大変印象的です。なおこの第3番と第4番では第2楽章がメヌエットになっています。
 弦楽五重奏曲第4番はト短調の作品でモーツァルトの傑作ト短調の1つといえます。冒頭から劇的な響きが印象的です。その美しさはなんともいえないものです。第2楽章のメヌエットの哀愁的な響きもまた素晴らしいものです。
 弦楽五重奏曲第5番は晩年の1790年の作。第1楽章の勢いに満ちた主題が素晴らしい。第2楽章:アダージョの美しさはこれぞモーツァルトの感があります。フィナーレは2つの版があってこの録音では2つとも録音されています。
 弦楽五重奏曲第6番は1791年最晩年の作品。第1楽章の細やかな主題が美しいものでモーツァルトが病弱でも作曲するときは生命力あふれるものだったと考えさせられます。勢いに満ちたこの楽章は素晴らしいとしか言いようがありません。第2楽章のアンダンテは「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」の第2楽章の主題を彷彿させます。第3楽章のメヌエットは明るく楽しくなります。フィナーレの軽快な主題は勢いがあり希望に満ちた音楽になっています。


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