ズデニェク・ティルシャル

カール・シュターミッツ/ホルン協奏曲変ホ長調
CD(チェコ・スプラフォン COCO−75359)

シュターミッツ/管楽器のための協奏曲集
1.カール・シュターミッツ/クラリネット協奏曲変ホ長調
2.    〃        /ホルン協奏曲変ホ長調
3.アントン・シュターミッツ/2本のフルートのための
                    協奏曲ト長調
   ボフスラフ・ザフラドニーク(クラリネット)(1)
   ズデニェク・ティルシャル(ホルン)(2)
   イルジ・ヴァーレク(フルート)(3)
   ラドミル・ピヴォダ(フルート)(3)
    フランティシェク・ヴァイナル指揮
           プラハ室内管弦楽団
     録音 1987年4月15〜17日(1)
         1991年7月1日(2、3)

 これはシュータミッツ(スタミツ)兄弟の作品集です。兄カールは1745年生まれ、弟アントンは1750年生まれです。父ヨハンはマンハイム楽派の元祖でした。
 クラリネット協奏曲を吹いているザフラドニークはルジーハの後継者で独特の音色はルジーハによく似ています。チェコ・フィルのクラリネットの明るい響きがとてもきれいです。ザフラドニークはこの録音の数ヶ月後に亡くなっていますので最後の録音でした。
 ホルン協奏曲はかなりややこしい扱いになっています。ロゼッティのホ長調が原曲と言われていたり、このCDの書き込みのようにプント(シュティヒ)が原曲と言われたり、出版のときに演奏しやすく変ホ長調にしたとも言われます。ちなみにバウマンはホ長調で演奏していました。最近の研究ではもともとの原曲がシュターミッツで、高音のクラリーノ部分をロゼッティやシュティヒが中音域に書き換えて演奏したという説があります。ということはこの演奏はその書き換えた楽譜をシュターミッツが変ホ長調にこれまた移調して出版したことになります。
 このホルン協奏曲は第3楽章のロンドにたくさんの装飾音がありかなり難しい曲です。なおシュターミッツはホルン協奏曲を全部で4曲作曲しています。
 カールの弟アントン・シュターミッツ(アントニン・スタミツ)の2本のフルートのための協奏曲はチェコ・フィル首席のヴァーレクとピヴォダの演奏です。2本のフルートの作る和音の美しさは素晴らしく、聞きほれることでしょう。


トップへ
戻る
前へ
次へ