ピエール・デル・ヴェスコーヴォ

モーツァルト/ホルン協奏曲全集

LP(エラート OP−7017−RE)ステレオ

モーツァルト/ホルン協奏曲全集
 1.ホルン協奏曲第1番ニ長調K412&514
 2.ホルン協奏曲第4番変ホ長調K495
 3.ホルン協奏曲第3番変ホ長調K447
 4.ホルン協奏曲第2番変ホ長調K417 

   ピエール・デル・ヴェスコーヴォ(ホルン)
   ジャン=フランソワ・パイヤール指揮
         パイヤール室内管弦楽団
      録音1972年9月

 1960年代の録音がなくてヴェスコーヴォは伝説になろうとしていたころ、突然新録音として発売されました。そのまろやかな音に酔わせられましたが、よく聞いてみますと、ギャルド時代のような明るい音色ではなく、かなり響きは変わっています。楽器が変わったかマウスピースを変えたかと思いますが、1970年代からのフランスのホルンの音色の変化と共にこの演奏も変わってきたのでしょう。ヴィブラートも極端なものではなく大変ききやすいものです。

 ホルン協奏曲第1番はやわらかく美しい響きのホルンでレガートのきれいな演奏はヴェスコーヴォらしいホルン演奏です。第2楽章の流麗なホルンは見事なものです。パイヤールの指揮と共にこれぞモーツァルトといえそうな名演です。
 ホルン協奏曲第4番は重厚なオーケストラの響きと共に始まります。ホルンのソロの響きの良さ、オーケストラの良い響き、この4番独特の響きは素晴らしいです。展開部のホルンの豊かな響きは見事なものです。カデンツァの力強い演奏はハイトーンまで使う見事なものです。第2楽章のロマンスは第3番同様大変きれいな演奏です。オーケストラの響きの良さもあって、ホルンの美しい響きが引き立ちます。第3楽章のロンドは速めのテンポで軽快な演奏です。聴いていると楽しくなります。コーダ前のカデンツァはありません。これは素晴らしい演奏です。
 ホルン協奏曲第3番はクラリネットとファゴットが入る独特の響きのオーケストラの中でホルンが明るく響きます。ヴェスコーヴォのホルンが生き生きとした響きに聞こえます。流麗なホルンが実にきれいです。これぞ3番の演奏といえそうです。カデンツァはオリジナルでこれは実にきれいな演奏です。第2楽章のロマンスはホルンの美しい響きが素晴らしいです。ロマンティックな演奏です。第3楽章は快適なテンポできれいな演奏です。そして力強いホルンも聴かれます。これは素晴らしいです。
 ホルン協奏曲第2番は弦楽の響きの良さ、管楽器の美しい響きと共に、ヴェスコーヴォの美しいホルンが始まります。レガートのきれいな演奏のホルンが流れます。まさにモーツァルトのお手本といえるでしょう。第2楽章はオーボエに始まる穏やかなテンポ、美しいホルンの響きが素晴らしいです。第3楽章のロンドも軽やかなホルンで素晴らしい演奏です。


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