プジェミスル・ヴォイタ

ブラームス/ホルン三重奏曲変ホ長調
CD(Supraphon SU4072−2)

スメタナ・トリオ/ブラームス/ピアノ三重奏曲全集
CD1
1.ピアノ三重奏曲第3番ハ短調Op101
2.ピアノ三重奏曲第2番ハ長調Op87
3.クラリネット三重奏曲イ短調Op114
CD2
4.ピアノ三重奏曲第1番ロ長調Op8
5.ホルン三重奏曲変ホ長調Op40

  プジェミスル・ヴォイタ(ホルン)(5)
  リュドミラ・ペテルコヴァー(クラリネット)(3)
  スメタナ・トリオ
  イトカ・チェホヴァー(ピアノ)
  ヤナ・ヴォナーシュコヴァー=ノヴァーコヴァー
               (ヴァイオリン)
  ヤン・パーレニーチェク(チェロ)
  録音2011年6月(1〜3)
     2012年6月(4&5)
    プラハ、マルティニク・スタジオ

 チェコの若手演奏家スメタナ・トリオによるブラームスのピアノ三重奏曲全集です。3つのピアノ三重奏曲とクラリネット三重奏曲、そしてホルン三重奏曲の全5曲が収録されています。ディスク1は50代の作品、ディスク2が若い時期の作品です。
  ピアノ三重奏曲が3番から収録されていますが、ブラームス円熟期の作品は2番ではチェロ・ソナタのような雰囲気があり、3番になるとピアノ五重奏曲を思い出させるブラームス独特の響きになっています。初期の第1番ではまるでシューベルトを聞いているかのような美しさがあります。
  クラリネット三重奏曲はイ短調という響きが哀愁的で、クラリネットの甘い響きが生かされるようです。クラリネット五重奏曲はロ短調ですからブラームスはこの調性を好んだのでしょうか。リュドミラ・ペテルコヴァーの演奏は申し分なくザビーネ・マイヤーのように美しい調べを堪能できるでしょう。
  ホルン三重奏曲でホルンを吹くプシェミスル・ヴォイタは1983年生まれのチェコの若手ホルン奏者です。2010年のミュンヘン国際コンクールで優勝しており、2011年からはベルリン・シュターツカペレでソロ・ホルン奏者を務めています。ヴォイタのホルンは師のベドジヒ・ティルシャルとも異なる現代風のホルンで、ドイツのオーケストラのホルンで聞かれるホルンと変わらないでしょう。テクニックは見事なものです。安定した音色はどちらかといえばハウプトマンを思わせるものです。フィナーレの演奏などますます感じられます。いずれにしてもこれからが楽しみです。


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