O/フランシス・オーヴァル

ウェーバー/ホルンのためのコンチェルティーノ ホ短調
CD(Turnabout 30371 00662)

1.ウェーバー/コンチェルティーノ ホ短調Op45
2. 〃   /アンダンテとハンガリー風ロンド
3. 〃   /ロマンツァ・シチリアーナ ト短調
4. 〃   /ファゴット協奏曲ヘ長調Op75
5. 〃   /アンダンテとハンガリー風ロンドOp35
6.モーツァルト/ファゴット協奏曲変ロ長調K191

  フランシス・オーヴァル(ホルン)(1)
  ペーター・タルハイマー(フルート)(3)
  ジョージ・ズーカーマン(ファゴット)(4〜6)
  ギュンター・ナイトリンガー指揮
   ハンブルク交響楽団(1〜3)
  イェルク・フェルバー指揮
   ヴュルテンベルク室内管弦楽団
   録音 1970年代(1〜3)
       1960年代(4〜6)

  このアルバムはウェーバーの珍しい作品を含む協奏曲作品集です。アンダンテとハンガリー風ロンドが2つ収録され、原曲のヴィオラとオーケストラ版、そしてファゴットとオーケストラ版の2つが楽しめます。
  ウェーバーのホルン・コンチェルティーノはナチュラルホルンのために作曲された難曲です。フランスのバルボトゥによって初めて録音されましたがこのオーヴァルの録音は70年代初めにタックウェルやバウマンと相前後して録音されたと思われます。詳細の録音データはありません。LPはVOX版が発売されましたが廃盤久しくCD化は1996年です。このオーヴァルのホルンはフランス系の明るさがあり、バルボトゥのように明るく朗々と吹くところは音楽の雄大さと奥深い響きが素晴らしいです。オーケストラは小編成で物足りなさがありますがホルンの響きのよさは抜群です。カデンツァの見事なことポラッカのうまさと最高音の伸びと完璧です。
  アンダンテとハンガリー風ロンドは1809年にヴィオラとオーケストラのために作曲されました。大変美しい作品でヴィオラの音色を生かした名曲です。なおこの録音のソリストはクレジットがなく不明です。
  フルートとオーケストラのためのロマンツァ・シチリアーナは3分ほどの小品ですがフルートのためのシチリアーノとして知られるバッハやフォーレの作品に匹敵する名曲です。 
  ズーカーマンのファゴットは定評があり80代でも現役で演奏していました。このウェーバーとモーツァルトの作品はLPで発売されその技量の高さ美しい音色に感動します。ウェーバーの協奏曲は流麗な演奏が素晴らしく第3楽章のロンドの見事な演奏はバックのオーケストラに支えられて抜群です。
  ファゴットとオーケストラのためのアンダンテとハンガリー風ロンドは1813年の編曲でヴィオラの演奏とはまた違う魅力があります。オーケストラの深みのある響きとファゴットのやわらかな響きがマッチしています。
  モーツァルトのファゴット協奏曲はLP時代にポール・オンニュやギュンター・ピースクの演奏に比肩する名演として知られた名演奏です。今なお遜色ない録音です。第1楽章で即興のカデンツァ挿入などみられ他では聞けない魅力があります。


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