ズデニェク・ティルシャル

ベートーヴェン/六重奏曲、モーツァルト/音楽の冗談
CD(チェコ・スプラフォン 10 3907−2)

 2つのホルンを伴う作品集
1.ベートーヴェン/六重奏曲変ホ長調Op81b
2.バルサンティ/合奏協奏曲ニ長調Op3−4
3.ヘンデル/2つのホルンの為の協奏曲ニ長調
4.モーツァルト/音楽の冗談K522

  ズデニェク・ティルシャル(ホルン)
  ベトジヒ・ティルシャル(ホルン)
  リボル・ペシェク指揮
    ドヴォルザーク室内管弦楽団
   録音 1985年2月22日〜3月3日

 このアルバムは2つのホルンが活躍する曲を集めたものです。ベートーヴェンの六重奏曲は有名ですが、弦楽四重奏の伴奏を弦楽合奏でやるのは珍しいです。ティルシャル兄弟の息のあった演奏はこの作品のお手本になる名演です。第3楽章は厚みのある響きで2つのホルンのための協奏曲のようになります。これは弦楽合奏ならではの良さでしょう。
 バルサンティの合奏協奏曲はあまり聞かれませんが、2本のホルン、ティンパニと弦楽のための作品です。3つの楽章からなり第1楽章と第3楽章ではホルンとティンパニがにぎやかに演奏されます。第2楽章:アダージョは間奏曲のように弦楽のみで演奏されます。
 ヘンデルの2つのホルンの為の協奏曲ニ長調は3つの楽章からなり2つのヴァイオリンもからんでくる合奏協奏曲のようでもあります。第1楽章と第3楽章はホルンの聴かせどころが多いです。第2楽章:グラーヴェは短い楽章で弦楽とチェンバロのみの演奏です。なお1980年にも録音していました。
 モーツァルトの音楽の冗談はホルンが音をはずす面白さをわざとやらせてみたり、ヴァイオリンを暴走させたりする冗談たっぷりの音楽です。原曲は弦楽四重奏ですがここでは弦楽合奏になります。ティルシャル兄弟の演奏は冗談というよりは完成された音楽として丁寧に演奏したものです。同じようにデニス・ブレインもグィド・カンテルリの指揮で録音していました。


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