フランク・ロイド

ブラスによる「ボレロ」/「カルメン」組曲
CD(Fun House 28ED-7013)

ブラスによる「ボレロ」/「カルメン」組曲
1.ビゼー/「カルメン」組曲(ハーヴェイ編)
2.フォーレ/ピエ・イエズス(ハーヴェイ編)
3.ドビュッシー/小さな黒ん坊(エマーソン編)
4.  〃 /ゴリウォーグのケークウォーク
                 (シェリング編)
5.  〃 /月の光(モワット編)
6.  〃 /仮面(モワット編)
7.ラヴェル/リゴードン(クープランの墓)
8. 〃  /道化師の朝の歌(モワット編)
9. 〃  /亡き王女のためのパヴァーヌ
10. 〃  /美女と野獣の対話(マ・メール・ロワ)
               (モワット編)
11. 〃  /ボレロ

 ロンドン・ブラス
 ロデリック・フランクス(トランペット)
 ナイジェル・ゴム(トランペット、ピッコロ・トランペット)
 マイケル・レアード(トランペット、ピッコロ・トランペット)
 アン・マキャネニー(トランペット、フリューゲルホルン)
 フランク・ロイド(ホルン)
 ロジャー・ハーヴェイ(トロンボーン)
 デイヴィッド・パーサー(トロンボーン、ユーフォニウム)
 リンゼイ・シリング(トロンボーン)
 レイモンド・プレムル(バス・トロンボーン)
 デイヴィッド・スチュワート(バス・トロンボーン)
 ジョン・フレッチャー(テューバ)
 デイヴィッド・コークヒル(パーカッション)
 チャールズ・フルブルック(パーカッション)(3)
 録音 1986年5月

 ロンドン・ブラスによるフランスの音楽作品集です。金管楽器のために編曲された作品が演奏されています。
 ビゼーの「カルメン」組曲はハーヴェイの編曲で「アラゴネーズ」「アルカラの竜騎兵」「ハバネラ」「衛星の交代」「ジプシーの踊り」の5曲が演奏されます。高音域はピッコロ・トランペットが使われています。演奏は抜群です。
 フォーレの「ピエ・イエズスは「レクイエム」の中の1曲でハーヴェイの編曲です。宗教曲は金管楽器の響きが一番よく会います。
 ドビュッシーの「小さな黒ん坊」はピアノ作品です、これをエマーソンが編曲しています。楽しい作品です。
 ドビュッシーの「ゴリウォーグのケークウォーク」はピアノ組曲「子供の領分」の第6曲です。シェリングの編曲はこの曲の楽しいところをうまく表現しています。
 ドビュッシーの「月の光」はピアノ作品「ベルガマスク組曲」の第3曲、ピアノ曲の名曲です。これをモワットがブラス・アンサンブルのために編曲しました。弱奏の夜想曲でミュートを使って優雅な響きを出しています。
 ドビュッシーの「仮面(マスク)」はピアノ作品です。モワットの編曲で仮面行列の面白さが伝わってきます。
 ラヴェルの「リゴードン」は組曲「クープランの墓」の第4曲です。モワットの編曲はラヴェルの編曲を思わせる響きがきれいです。
 ラヴェルの「道化師の朝の歌」もピアノ曲でオーケストラ版が有名です。モワットの編曲はチューバやピッコロ・トランペットに華をもたせたもので、オーボエやフルートのような響きも聞こえてきます。名編曲名演奏といえます。
 「亡き王女のためのパヴァーヌ」もピアノ作品でオーケストラ版が有名です。モワットの編曲はラヴェルの編曲を踏襲したものでホルンのソロがたっぷり歌われています。
 「美女と野獣の対話」は組曲「マ・メール・ロワ」の第4曲です。オーケストラ版ではコントラ・ファゴットが野獣を演じますがこの編曲ではチューバが演奏しています。その雰囲気は実に素晴らしく、この編曲はパーフェクトです。
 最後の「ボレロ」は最弱奏から始まるバレエ作品ですが、この編曲は演奏が難しそうです。金管楽器はミュートで音色を変えられますので多彩な響きを出すことができます。ホルン・ソロの部分がとても新鮮です。この作品を金管楽器だけで演奏するというのも良いものです。これはこれで完成された作品といえるでしょう。


トップへ
戻る
前へ
次へ