フランツ・コッホ

ハイドン/ホルン協奏曲第1番ニ長調
CDR(Forgotten fr 996)

ハイドン/協奏曲集
1.ヴァイオリン協奏曲第4番ト長調Hob.VIIa: 4
2.ヴァイオリン協奏曲第3番イ長調Hob.VIIa: 3
3.ホルン協奏曲第1番ニ長調Hob.VIId: 3

 エディト・ベルトシンガー(Vn)
 クリスタ・フュールマン(チェンバロ)(2)
 フランツ・コッホ(ウィンナホルン)(3)
 エルナ・ハイラー(チェンバロ)(3)
 アントン・ハイラー指揮
 ウィーン・コレギウム・ムジクム管弦楽団(1&2)
 ウィーン交響楽団(3)
 録音 1950年2月(1)モノラル
     1951年(2&3)モノラル

 ウィーンの演奏家によるハイドンの協奏曲集です。ヴァイオリンはベルトシンガーの独奏、ホルンはフランツ・コッホの独奏です。
 ヴァイオリン協奏曲第4番ト長調は1769年以前の作、第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「アレグロ」の3つの楽章で構成されています。エディト・ベルトシンガーのヴァイオリンは女性らしい響きで優しく温かな表現が素晴らしい演奏です。
 ヴァイオリン協奏曲第3番イ長調は1770年頃の作で1949年にメルク修道院で発見され「メルク協奏曲」ともいわれます。第1楽章「モデラート」、第2楽章「アダージョ・モルト」、第3楽章「アレグロ」の3つの楽章で構成されています。ベルトシンガーの演奏は第1楽章の重音の厚い響き、カデンツァの見事な演奏など素晴らしいものです。第2楽章の温かい響き、第3楽章の快い響きもよいものです。ホルンのハイトーンもよく響きます。
 ホルン協奏曲第1番ニ長調はハイドンのオリジナル作品です。フランツ・コッホの録音はデニス・ブレインよりも5年早く、世界初録音かもしれません。第1楽章のアレグロではウィンナホルンの難しさを感じさせるところもありますが、歯切れの良い見事なホルンを聞かせてくれます。カデンツァは短いですがこれもまた良い演奏です。第2楽章のアダージョはハイトーンのきれいな響き、カデンツァもきれいな演奏です。第3楽章のアレグロはやや遅めのテンポで演奏していますが、ウィンナホルンの難しさを思うとこれがよいテンポです。コッホの安定したホルンでハイドンのホルン協奏曲を初めて聴いた人は感動したことでしょう。歴史的な録音です。復刻されてうれしいです。


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