ルイ=フィリップ・マルソレ

R・シュトラウス/アルプホルン/シューベルト/流れの上で
CD(ATMA ACD2 2628)

「オフィーリア」
 ソプラノ、ホルンとピアノのための作品集
1.ドニゼッティ/不吉な愛
2.R・シュトラウス/アルプホルン
3.ベルリオーズ/若いブルターニュ人の牧童
4.グノー/夕べ
5.シューベルト/流れの上でD.943
6.グージョン/オフィーリア
7.ラハナー/秋にOp30−1
8.ライシガー/4つの詩Op117
9.ラハナー/ヴァルトワルツOp28
  マリアンヌ・フィセ(ソプラノ)
  ルイ=フィリップ・マルソレ (ホルン)
  マイケル・マクマホン(ピアノ)
   録音 2009年12月15〜17日

 マリアンヌ・フィセのソプラノとマルソレのホルンの共演です。R・シュトラウスの「アルプホルン」やシューベルトの「流れの上で」といった名曲をはじめドニゼッティやラハナーの作品が演奏されています。
 マリアンヌ・フィセは2007年のモントリオール国際コンクール声楽部門で第1位を受賞した新人です。声域が広くメゾソプラノの領域まで出るようです。そのためR・シュトラウスの「アルプホルン」は自然な声で歌われています。マルソレの滑らかなホルンも素晴らしい響きです。
 ドニゼッティの「不吉な愛」で聞かれるマルソレのホルンは嘆きを表現したかのような音色が響いて驚きます。ベルリオーズの「若いブルターニュ人の牧童」は歌曲集「荒野の花」Op13の第4曲です。ホルンは継続したメロディーというよりも角笛が挿入されるといったところです。
 グノーの「夕べ」はいくつかの録音があります。冒頭からホルンオブリガートが吹かれますの夕暮れの寂しさのような雰囲気が漂います。シューベルトの「流れの上で」はトリオの定番曲になっています。ホルンは川の流れを表現する滑らかさ、きらめきを要求されますがマルソレの表現力は豊かです。ソプラノ歌唱共々大変きれいな演奏です。
 グージョンの「オフィーリア(オフェーリア)」はタイトルになっていますが、シュークスピアの「ハムレット」に登場する悲劇の美少女です。その悲劇を歌にした作品でホルンの嘆き、ピアノによる水の表現など1枚の「絵画」のようになっています。
 ラハナー、ライシガーの作品はホルンのオブリガートが大活躍するものでホルン・ファンにはたまらない曲です。マルソレの名演が光ります。


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