丸山 勉

遥かなるエレジー/ホルンとオルガン
CD(fontec FOCD9790)

遥かなるエレジー
1.サン=サーンス/アンダンテ(1854)
2.ボザ/遥かなる歌
3.シューマン/6つのカノン風小品Op56より
   1)第2番「心からの感情を込めて」
   2)第3番「アンダンティーノ」
   3)第4番「心を込めて」
4.フランク/前奏曲、フーガと変奏曲Op18
5.ボエリー/コラール「たとえ主から離れても再び戻る」
6.フォーレ/エレジーOp24
7.デュルフレ/ソワソン大聖堂の
       カリヨンの主題によるフーガOp12
8.ラヴェル/亡き王女のためのパヴァーヌ
9.ピュイグ=ロジェ/哀歌
10.プーランク/エレジー
        〜デニス・ブレインの想い出に
11.フォーレ/アヴェ・マリア

  丸山 勉(ホルン)(1〜3、5、6、8、10&11)
  坂戸 真美(オルガン)
  録音 2018年3月20〜22日 
  青山学院大学 ウェスレー・チャペル

 丸山勉と坂戸真美によるホルンとオルガンのリサイタルです。坂戸真美は青山学院大学でオルガン奏者をつとめていて、録音も青山学院大学です。
 サン=サーンスのアンダンテはオリジナル作品で1980年頃まで知られていなかったものです。ヘルマンソン以来の録音と思われます。ロマンティックな主題が歌われます。
 ウジェーヌ・ボザの「遥かなる歌」はホルンとピアノのための作品です。ボザ独特の作風ですが後半にワーグナーのジークフリートの動機やベートーヴェンの田園を思わせるフレーズが出てきます。
 シューマンの6つのカノン風小品Op56から3曲、第2番「心からの感情を込めて」、第3番「アンダンティーノ」と第4番「心を込めて」が演奏されています。ハイトーンを使いますのでピッコロホルンで演奏しています。
 フランクの「前奏曲、フーガと変奏曲Op18」はオルガン曲です。坂戸真美のオルガン独奏です。オルガン作品の名曲です。
 アレクサンドル・ピエール・フランソワ・ボエリーのコラール「たとえ主から離れても再び戻る」はホルンとピッコロ・ホルンで演奏されています。この曲にはバッハのコラール「主よ、人の望みの喜びよ」の主題が使われています。
 ガブリエル・フォーレの「エレジー」は原曲がチェロとピアノです。管弦楽版もあります。ホルンとチェロは音域が近いのでこの作品をホルンで演奏するのは自然なことと思います。低音がよく響きます。
 モーリス・デュルフレの「ソワソン大聖堂のカリヨンの主題によるフーガ」はオルガン作品です。デュルフレはフランスの名オルガン奏者でした。荘重な作品です。
 ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」は原曲がピアノ作品ですがオーケストラ編曲があまりにも有名です。オルガン版は坂戸真美の編曲で、ホルンで主題が演奏されます。丸山勉のホルンはビヴラートをかけてフランス風の美しい響きをだしています。これは素晴らしい演奏です。聞きほれてしまいます。オルガンもよく合います。
 アンリエット・ピュイグ=ロジェの「哀歌」はオルガン作品です。初演は1930年にオリヴィエ・メシアンが演奏していました。
 プーランクの「エレジー〜デニス・ブレインの想い出に」はは1957年に亡くなったデニス・ブレインを偲んでプーランクが作曲した名曲です。ホルンとピアノのための作品をオルガンで演奏しています。最初にデニス・ブレインのテーマ、そして事故で車がクラッシュする音がグリッサンドで表現されます。あとは奥深い響きのホルンがエレジーを歌います。オルガンで聴くとピアノよりもエレジーらしく感じられます。
 フォーレの「アヴェ・マリア」はオルガンと声楽のための作品です。ホルンで歌うのはとても美しいものです。荘重な響きになっています。ホルンの響きが素晴らしいです。


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