ピエール・デル・ヴェスコーヴォ

モーツァルト/ホルン協奏曲第3番&第1番(1972)
CD(ERATO FWCC−30264)

モーツァルト/管楽器のための協奏曲集
1.クラリネット協奏曲イ長調K622
2.ファゴット協奏曲変ロ長調K191
3.ホルン協奏曲第3番変ホ長調K447
4.ホルン協奏曲第1番ニ長調K412
5.パントマイム〜バレエ音楽「レ・プティ・リアン」より 

 ジャック・ランスロ(クラリネット)(1)
 ポール・オンニュ(ファゴット)(2)
 ピエール・デル・ヴェスコーヴォ(ホルン)(3&4)
 ジャン=フランソワ・パイヤール指揮
    パイヤール室内管弦楽団(1、3〜5)
 テオドール・グシュルバウアー指揮
   バンベルク交響楽団(2)
   録音1963年6月5〜7日(1)
      1969年1月(2)  
      1972年9月(3&4)
      1964年1月〜7月(5)

 モーツァルトの管楽器のための協奏曲集です。ソリストはフランスの名演奏家たちです。
 クラリネット協奏曲はジャック・ランスロのクラリネットによる演奏です。この作品はモーツァルト晩年の傑作です。第1楽章は前奏からホルンの響きが印象的です。クラリネットが始まると落ち着いた響きになります。ランスロの美しいクラリネットが響き渡ります。第2楽章のアダージョは名曲です。オーケストラと共にクラリネットが美しい主題を歌います。第3楽章はオーケストラの華やかな響きと共に、クラリネットが快適に歌います。ランスロのクラリネットは素晴らしい演奏です。
 ファゴット協奏曲変ロ長調はポール・オンニュのバスーン(ファゴット)による名演が光ります。グシュルバウアーの指揮による演奏はモーツァルトの魅力を感じさせる見事なものです。オンニュのバスーンはやわらかで明るいフランスの管楽器の魅力があります。オーケストラもよい響きです。カデンツァも素晴らしい演奏です。第2楽章の穏やかな演奏は低音が良い響きです。これは見事な演奏です。第3楽章は優雅な響きです。バスーンの細やかな主題は見事な演奏です。オンニュの素晴らしい演奏がたっぷり楽しめます。

 モーツァルトのホルン協奏曲はフランスの名手ピエール・デル・ヴェスコーヴォのホルン・ソロです。ホルン協奏曲第3番はクラリネットとファゴットが入る独特の響きのオーケストラの中でホルンが明るく響きます。ヴェスコーヴォのホルンが生き生きとした響きに聞こえます。流麗なホルンが実にきれいです。これぞ3番の演奏といえそうです。カデンツァはオリジナルでこれは実にきれいな演奏です。第2楽章のロマンスはホルンの美しい響きが素晴らしいです。ロマンティックな演奏です。第3楽章は快適なテンポできれいな演奏です。そして力強いホルンも聴かれます。これは素晴らしいです。
 ホルン協奏曲第1番はやわらかく美しい響きのホルンでレガートのきれいな演奏はヴェスコーヴォらしいホルン演奏です。第2楽章の流麗なホルンは見事なものです。パイヤールの指揮と共にこれぞモーツァルトといえそうな名演です。 
 「パントマイム」はバレエ音楽「レ・プティ・リアン」の第10曲になります。弦楽によるきれいな演奏です。この作品はモーツァルトの傑作といってもよさそうです。楽しくなります。素晴らしい演奏です。


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