サラ・ウィリス

モーツァルトとマンボ/ホルン協奏曲第3番、他(DVD&BD)
DVD&BD(ALPHA-CLASSICS ALPHA 741)

モーツァルトとマンボ
1.モーツァルト/歌劇「後宮よりの誘拐」序曲K384
2.  〃   /ホルン協奏曲第3番変ホ長調K447
3.ジョシュア・デイヴィス&ユニエト・ロンビーダ・プリエト
   /ロンド・アラ・マンボ(K447第3楽章による)
4.ペレス・プラード/エル・マンボ
      (ジョシュア・デイヴィス編曲) 
5.エドガー・オリヴェロ/サラナード・マンボ
       (アイネ・クライネ・ナハトムジークによる)
6.イソリーナ・カリージョ/くちなしの花をふたつ
        (ホルヘ・アラゴン編曲)
7.モイセス・シモン/南京豆売り 
        (ホルヘ・アラゴン編曲)

サラ・ウィリス (ホルン)(2〜7)
ホセ・アントニオ・メンデス・パドロン指揮
ハバナ・リセウム・オーケストラ
ハバナ・ホーンズ
 (サラ・ウィリスと14人のホルン奏者たち)(4)
ハロルド・マドリガル・フリアス (トランペット)
ユニエト・ロンビーダ・プリエト (サクソフォン)
ホルヘ・アラゴン (ピアノ)
ザ・サラバンダ(THE SARAHBANDA)(3〜7)
ユニエト・ロンビーダ・プリエト (サクソフォン)
アデル・ゴンザレス・ゴメス (ボンゴ)、
エドゥアルド・ラモス・エルダンデス (ティンバレス)
アレハンドロ・アギアル・ロドリゲス (コンガ)、
オリビア・ロドリゲス・カバレロ (ベース)
エリオ・エルナンデス・ロハス (ピアノ)
録音 2020年1月
オラトリオ・サン・フェリペ・ネリ教会
 ハバナ、キューバ

 ベルリン・フィルのホルン奏者サラ・ウィリスがキューバで録画したアルバムです。マンボ音楽とモーツァルトが混合したユニークなアルバムです。
 冒頭のモーツァルト/歌劇「後宮よりの誘拐」序曲はこのアルバムの案内を含む序曲です。ハバナ・リセウム・オーケストラの演奏です。パドロンの指揮で良い演奏です。
 モーツァルトの「ホルン協奏曲第3番変ホ長調」はオリジナルの3つの楽章で演奏されています。サラ・ウィリスのホルンは気合が入るような力強いホルンが響きます。第1楽章では展開部で朗々と大きくホルンを演奏しています。カデンツァはヴァレンドルフが書いたものを演奏しています。第2楽章のロマンツェは少し速めのテンポでスラスラ演奏しています。キューバ風なのでしょうか。第3楽章のアレグロは軽やかなホルンが大変きれいです。コーダで短いカデンツァが入ります。よい演奏です。
 ジョシュア・デイヴィス&ユニエト・ロンビーダ・プリエトの「ロンド・アラ・マンボ」は直前のモーツァルトのホルン協奏曲第3番の第3楽章をマンボに編曲したものです。リズムは違ってもモーツァルトです。サラ・ウィリスがホルンのソロを演奏しています。アメリカ出身のサラ・ウィリスにはジャズスイング風のこのアレンジはお手の物だったでしょう。楽員がほとんどスタンドプレーで演奏しています。
 ペレス・プラード(1916-1989)の「エル・マンボ」はマンボの代表的な作品です。これをジョシュア・デイヴィスが編曲しています。マンボ楽団と14本のホルンが演奏する壮大な音楽になりました。「マンボマンボ」の連呼もあります。
 エドガー・オリヴェロ(1985-)の「サラナード・マンボ」はセレナードのマンボです。モーツァルトのセレナード第13番「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」をマンボにアレンジしたものです。このセレナードがマンボになるとは面白いです。途中に歌も入ります。ホルンのソロも入ります。
 イソリーナ・カリージョ(1907-1996)の「くちなしの花をふたつ」はキューバの音楽の名曲でホルヘ・アラゴンが編曲:しています。トランペットとホルンでセンチメンタルな歌を歌います。大変素晴らしい演奏です。癒されます。
 モイセス・シモン(1889-1945)の「南京豆売り」はキューバ音楽の代表的な曲で、ホルヘ・アラゴンが編曲しています。ホルンやトランペットでこの曲を演奏するのもいいものです。マンボ楽団のご機嫌な演奏とヴァイオリンのソロなど「ピーナツ・ベンダー」の楽しい演奏が聴かれます。サラ・ウィリスも張り切ってホルンを演奏しています。
これは楽しいアルバムです。キューバの演奏家たちとの共演でないと生まれない名盤といえます。CDアルバムだけでなく、ライヴ映像と屋外での演奏など映像ならではの楽しさがあります。ボーナストラックもあります。DVDとブルーレイディスクの2枚が入っています。内容は同じです。


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