ウォルフガング・トムベック

ベートーヴェン/六重奏曲変ホ長調Op81b
CD(LONDON KICC 2036)

ベートーヴェン/室内楽作品集
1.ピアノ五重奏曲変ホ長調Op16
2.弦楽五重奏曲ハ長調Op29
3.六重奏曲変ホ長調Op81b

 ウィーン八重奏団員
 マンフレート・カウツキー(オーボエ)(1)
 アルフレート・ボスコフスキー(クラリネット)(1)
 ヨーゼフ・フェレバ(ウィンナホルン)(1)
 ルドルフ・ハンツル(ファゴット)(1)
 ヴァルター・パンホーファー(ピアノ)(1)
 アントン・フィーツ(ヴァイオリン)(2&3)
 ウィルヘルム・ヒュープナー(ヴァイオリン)(2&3)
 ギュンター・ブライテンバッハ(ヴィオラ)(2&3)
 フィリップ・マタイス(ヴィオラ)(2)
 フェレンツ・ミーハイ(チェロ)(2&3)
 ウォルフガング・トムベック(ウィンナホルン)(3)
 フォルカー・アルトマン(ウィンナホルン)(3)
   録音 1957年5月(1)
       1969年10月(2&3)

  1950年代のウィーン八重奏団と1960年代のウィーン八重奏団のベートーヴェンの室内楽作品です。
 「ピアノ五重奏曲」はモーツァルトの五重奏曲同様に愛されています。1796年ベートーヴェン25歳の頃に書かれています。ピアノのパートが重厚な作品です。なによりも第1楽章主部ではピアノが主題を提示しています。パンホーファーのピアノも良い響きを出しています。フェレバのウィンナホルンも甘い響きが印象的です。3つの楽章ともに見事な演奏で、パンホーファーが4人の管楽器奏者とともに大きな音楽を作り出しています。
 「弦楽五重奏曲ハ長調」は4つの楽章で構成されています。弦楽四重奏にヴィオラが入る五重奏は音に厚みがあります。第1楽章の美しい主題には癒されます。第2楽章はセレナードのように美しい主題が演奏されます。第3楽章は短いスケルツォ楽章で、流れるような主題が美しいベートーヴェンらしい作品です。フィナーレの劇的な演奏も素晴らしいもので30分を超える大作です。
 「六重奏曲変ホ長調」は1969年の録音で、トムベックがウィーン・フィルに入団する前の若いときの演奏です。アルトマンとの息のあったホルンが聞かれます。ウィンナホルンによる録音では唯一かもしれません。実に流暢なホルンでウィーンのベートーヴェンの良さがあります。奥深いホルンはフレンチホルンでは味わえないものがあります。F管だけに吹奏の難しさがありますが、第3楽章の演奏でも速いフレーズの分散和音も鮮やかです。


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