フランツ・コッホ

ヤナーチェク/コンチェルティーノ
CD(WESTMINSTER MVCW-19032)

室内楽作品集
1.ヤナーチェク/コンチェルティーノ
2.  〃   /ドゥムカ
3.  〃   /ヴァイオリン・ソナタ
4.マルティヌー/弦楽四重奏と管弦楽のための協奏曲

 バリリ・アンサンブル(1〜3)
 ワルター・バリリ(ヴァイオリン)(1〜3)
 フランツ・ホレチェク(ピアノ)(1〜3)
 フランツ・コッホ(ウィンナホルン)(1)
 ルドルフ・シュトレング(ヴィオラ)(1)
 オットー・シュトラッサー(ヴァイオリン)(1)
 アルフレート・プリンツ(クラリネット)(1)
 カール・エールベルガー(ファゴット)(1)
 ウィーン・コンツェルトハウス弦楽四重奏団(4)
 ヘンリー・スウォヴォダ指揮
  ウィーン国立歌劇場管弦楽団(4)
 録音 1954年モーツァルトザール(1〜3)
     1951年コンツェルトハウス(4)

 バリリ・アンサンブルによるヤナーチェクとウィーン・コンツェルトハウス四重奏団によるマルティヌーの作品集です。
 ヤナーチェクのコンチェルティーノは2つのヴァイオリン、ヴィオラ、クラリネット、ホルン、ファゴットとピアノのための作品で、4つの楽章が異なる編成で演奏されています。第1楽章の「モデラート」はホルンとピアノで演奏されます。コッホのウィンナホルンはやわらかな響きで歌います。この楽章はホルンの小品としてもよいほどのものです。第2楽章の「ピュー・モッソ」はクラリネットとピアノのデュオです。プリンツのクラリネットは華やかで忙しく歌います。ホレチェクのピアノは素晴らしい響きです。第3楽章の「コン・モト」は全員の演奏になりますが、ピアノとヴァイオリンが目立ちます。ホルンは和音だけになります。第4楽章の「アレグロ」も全員の演奏です。ピアノの響きに圧倒されますが、ホルンのフレーズも聞こえます。ヤナーチェクの素晴らしい作品のひとつです。
 ヤナーチェクの「ドゥムカ」はヴァイオリンのための小品です。ワルター・バリリのヴァイオリンは温かさを感じさせる名演奏です。
 ヤナーチェクのヴァイオリン・ソナタは4つの楽章で構成されています。第1楽章「コン・モト」、第2楽章「バラード」、第3楽章「アレグレット」、第4楽章「アダージョ」になっています。ワルター・バリリのヴァイオリンは第1楽章の美しい響き、第2楽章の豊かな表現力、第3楽章の素早いフレーズのうまさ、第4楽章では穏やかな演奏に温かさを感じさせます。これも素晴らしい演奏です。
 マルティヌーの「弦楽四重奏と管弦楽のための協奏曲」は1931年の作品。現代のコンチェルト・グロッソといえます。第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「テンポ・モデラート」になっています。厚い響きの第1楽章、弦楽四重奏に始まる第2楽章はバロック風の前半と金管の響きが厚い後半があります。第3楽章はマルティヌーの現代的コンチェルトの響きになります。


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