R/メイヤー・リモン

シューマン/4つのホルンのためのコンツェルトシュテュック、他
MP3音源( Hallmark 番号なし)

メイヤー・リモン/ホルンのための音楽
1.ヘンデル/2つのホルンのための協奏曲
                ヘ長調HWV331
    アレグロ/ラルゴ/アラ・ホーンパイプ
2.バルサンティ/合奏協奏曲ニ長調Op3−4
3.ヘンゼル/2つのホルンのための協奏曲
                  ヘ長調Op80
4.オスカー・フランツ/2つのホルンのための
             演奏会用小品ヘ長調Op4
5.ヒューブラー/4つのホルンのための協奏曲ヘ長調
6.シューマン/4つのホルンのための
        コンツェルトシュテュック ヘ長調Op86

  メイヤー・リモン(ホルン)(多重録音)
  メイヤー・リモン指揮
  イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団メンバー
  録音 2013年

 メイヤー・リモンの新録音です。MP3音源でソリストの明記がありませんので、よく見ましたらHorns/Conductorがメイヤー・リモンになっていましたので、ホルンは多重録音のようです。よく聴きましたらホルンの音色が同じです。バーディックと同じように一人二役、一人四役をしていました。
 ヘンデルの2つのホルンのための協奏曲ヘ長調はフランク=ゲミルの録音では2つの楽章で「水上の音楽」からとられたものでした。第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アラ・ホーンパイプ」となっていました。このメイヤー・リモンの録音では第2楽章「ラルゴ」が入っていて、第3楽章が「アラ・ホーンパイプ」となっています。「水上の音楽」のラルゴとは関係ない曲でしたので調べてみましたら、オリジナルの2つのホルンのための協奏曲ヘ長調(ラルゴのみ)でした。コッホ盤で確認しました。メイヤー・リモンはオリジナル曲を第2楽章に入れていました。
 バルサンティの2つのホルン、弦楽とティンパニのための合奏協奏曲Op3は5曲の作品があります。ここでは名曲第4番が演奏されています。3つの楽章で構成されています。第1楽章はホルンに細かいフレーズがあります。当時のナチュラルホルンでは難しいところです。第2楽章は弦楽のみの演奏、第3楽章「メヌエット」は2つのホルンが明るく歌います。この作品はティルシャル兄弟やフランク=ゲミルが録音しています。
 ヘンゼルの「2つのホルンと弦楽のための協奏曲ヘ長調」は作者がHaensel(ヘンゼル)になっていますが、経歴の詳細は不明です。3つの楽章で構成されています。第1楽章:アレグロ・モデラート、第2楽章:アダージョ・コン・モト、第3楽章:アレグロ・モデラートになっています。2つのホルンの和音が美しい作品です。
 オスカー・フランツの「2つのホルンのための演奏会用小品ヘ長調」は珍しい作品で他に録音は見られません。4分たらずの小品ですが、大変ロマンティックな作品です。
 ハインリヒ・ヒューブラー(1822〜1893)の「4つのホルンのための協奏曲ヘ長調」は3つの楽章で構成されています。第1楽章:アレグロ・マエストーソ、第2楽章:アダージョ・クアジ・アンダンテ、第3楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェになっています。第1楽章のホルン四重奏の響きは同じホルン奏者の演奏だけにきれいなものです。第2楽章も同様でシューマンのコンツェルトシュテュックのようにきれいな響きです。第3楽章も森に響く狩りのホルンのように4つのホルンの和音が美しいです。
 シューマンの「4つのホルンとオーケストラのためのコンツェルトシュトゥック」は名曲ですがホルン奏者にとっては難曲でもあります。メイヤー・リモンは一人四役だけでなく指揮もしています。ホルンの全パートを一人で吹くのは珍しいですが、指揮もしていますので自分で吹けば一番いいいのかもしれません。第1楽章冒頭の和音、そして4本のホルンのファンファーレ、大変良い響きです。同じ音色のホルンなので、2番3番4番と吹いても違いがよくわからないほどです。面白いです。それにしてもオーケストラも相性がいいです。第2楽章のロマンツェは4本のホルンが良い響きになっています。第3楽章は4本のホルンが素晴らしいアンサンブルになっています。トップのハイトーンもよい響きです。見事な演奏です。


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