ウォルフガング・トムベック

ベートーヴェン/六重奏曲変ホ長調Op81b
CD(LONDON POCL−4231)

1.シューベルト/八重奏曲ヘ長調Op166、D803
  〜2つのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、
   コントラバス、クラリネット、ホルンと
  ファゴットのための
2.ベートーヴェン/六重奏曲変ホ長調Op81b
  ウィーン八重奏団員
   ウィリー・ボスコフスキー(ヴァイオリン)(1)
   フィリップ・マタイス(ヴァイオリン)(1)
   アントン・フィーツ(ヴァイオリン)(2)
   ウィルヘルム・ヒュープナー(ヴァイオリン)(2)
   ギュンター・ブライテンバッハ(ヴィオラ)(1&2)
   ニコラウス・ヒュープナー(チェロ)(1)
   フェレンツ・ミーハイ(チェロ)(2)
   アルフレート・ボスコフスキー(クラリネット)(1)
   ヨーゼフ・フェレバ(ウィンナホルン)(1)
   ルドルフ・ハンツル(ファゴット)(1)
   ヨハン・クルンプ(コントラバス)(1)
   ウォルフガング・トムベック(ウィンナホルン)(2)
   フォルカー・アルトマン(ウィンナホルン)(2)
   録音 1954年(ステレオ)(1)
       1969年10月(2)

  1950年代のウィーン八重奏団と1960年代のウィーン八重奏団の演奏です。15年の開きがありますが、唯一ヴィオラのブライテンバッハだけはどちらの録音にも参加していました。
  コンサートマスターだったウィリー・ボスコフスキーは弟のアルフレート・ボスコフスキーとウィーン八重奏団を結成して室内楽活動を始めていましたが、このシューベルトの録音は1954年のステレオ初期の録音です。この作品はヴァイオリンとクラリネットが活躍するぴったりの選曲です。第1楽章の序奏から提示部の明るさはウィーン・フィルのメンバーならではのことでしょう。アルフレートのクラリネットの美しい響きとフェレバのウィンナホルンの渋く優雅な響きは味わい深いです。完璧なスラーが素晴らしい。そしてこの演奏はデッカ録音のうまさがはっきりしており、バランスの良さがアンサンブルの素晴らしさを教えてくれます。コーダのホルンの優雅な音が素敵です。第4楽章のヴァリエーション3ではウィンナホルンの深みのある響きがなんともいえません。第6楽章の劇的な序奏と楽しそうな主部はシューベルトの室内楽の素晴らしさを教えてくれましょう。
   ベートーヴェンの六重奏曲変ホ長調は1969年の録音で、トムベックがウィーン・フィルに入団する前の若いときの演奏です。アルトマンとの息のあったホルンが聞かれます。ウィンナホルンによる録音では唯一かもしれません。実に流暢なホルンでウィーンのベートーヴェンの良さがあります。奥深いホルンはフレンチホルンでは味わえないものがあります。F管だけに吹奏の難しさがありますが、第3楽章の演奏でも速いフレーズの分散和音も鮮やかです。


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