ウォルフガング・ヴラダー

モーツァルト/ホルン五重奏曲変ホ長調
CD(paladino music pmr0099)

モーツァルト/室内楽作品集
1.ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのための
       ディヴェルティメント 変ホ長調K563
2.ホルン五重奏曲変ホ長調K407

 クライスラー・トリオ・ウィーン
  ボジダラ・クズマノヴァ(ヴァイオリン)
  アクセル・キルヒャー(ヴィオラ)
  ルイス・ソリタ(チェロ) 
 ウォルフガング・ヴラダー(ウィンナホルン)(2)
 ユリア・プルギナ(ヴィオラ)(2)
 録音 2018年4月7〜9日 

 クライスラー・トリオ・ウィーンと仲間たちによるモーツァルトの室内楽作品集です。
 ヴァイオリン、ヴィオラとチェロのためのディヴェルティメント変ホ長調は弦楽三重奏のための作品として有名なディヴェルティメントです。6つの楽章で構成されています。第1楽章「アレグロ」の華やかで勢いのある演奏はモーツァルトの楽しさを感じさせます。この作品は1788年モーツァルトが32歳の時に書かれたもので作品の完成度の高さは素晴らしいものです。第2楽章の美しい響きを聴きますと、モーツァルトの作品の素晴らしさを改めて感じます。第3楽章のメヌエットは数あるモーツァルトのメヌエットの中でも愛らしいメヌエットと言えます。第4楽章「アンダンテ」は3つの弦楽器が語り合いながら歩いていくような物語を感じさせます。第5楽章のメヌエットはウィンナワルツのような楽しいメヌエットです。第6楽章のアレグロはヴァイオリンの美しい主題が印象的です。
 ホルン五重奏曲はウォルフガング・ヴラダーがウィンナホルンで演奏しています。第1楽章からホルンの柔らかな響きが流れます。ウィンナホルン独特の響きがモーツァルトによく合います。弦楽とよく溶け合って素晴らしいモーツァルトです。第2楽章のアンダンテは冒頭の弦楽の美しさ、ホルンの朗々とした響きがきれいです。第3楽章のアレグロは優しい響きのホルンで始まる美しいモーツァルトになっています。第2主題のホルンが良い響きです。なおカデンツァは入りませんが実に素晴らしい演奏です。ウィーンのモーツァルトは何度聴いてもよいものです。
ブラームス/ホルン三重奏曲変ホ長調
CD(paradino music pmr0078)

ブラームス/室内楽作品集
1.ホルン三重奏曲変ホ長調Op40
2.ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調Op78
3.ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ短調Op108

 ボジダラ・クスマノヴァ=ヴラダー(ヴァイオリン)
 ウォルフガング・ヴラダー(ウィンナホルン) 
 マグダ・アマラ(ピアノ)
  録音 2016年3月
   ウィーン・コンツェルトハウス

 ウィーン・フィルのホルン奏者ウォルフガング・ヴラダーがウィンナホルンを吹いてブラームスのホルン三重奏曲を録音しました。 
 ヴラダーのホルンは優雅で透明感があり、ウィンナホルン独特の重さは感じません。第1楽章:アンダンテは大変美しい響きが流れます。第2楽章:スケルツォは快活なホルンが響きわたります。ヴァイオリンとピアノの息もぴったりです。第3楽章:アダージョ・メストでは哀愁的なホルンの響きがきれいです。ここではウィンナホルンらしい響きが聴かれます。第4楽章:フィナーレ、アレグロ・コン・ブリオは勢いのある演奏が素晴らしい。コンツェルトハウスに響くピアノがまた印象的です。ヴラダーと2人の女性によるブラームスは華やかな響きを聴かせてくれます。地味な作品に光明を与えてくれた名演です。
 ヴァイオリン・ソナタ第1番「春の歌」とヴァイオリン・ソナタ第3番を演奏しているボジダラ・クスマノヴァ=ヴラダーはブルガリア出身のヴァイオリニストで、録音も多く数々のコンクールで入賞しているようです。
 ヴァイオリン・ソナタ第1番はヴァイオリン協奏曲ニ長調と同時期の作品で名曲そのもの、ピアノとヴァイオリンのためのソナタとなっているだけにピアノとヴァイオリンは対等のようです。ボジダラ・クスマノヴァ=ヴラダルとマグダ・アマラのピアノによる演奏は良いコンビでヴァイオリンの響きも素晴らしい。
 ヴァイオリン・ソナタ第3番ではピアノの響きが印象的でヴァイオリンと共に晩年のブラームスの作品の素晴らしさを感じさせます。
ケクラン/4つの小品&ラメント(哀歌)
CD(Zappel music VMS187)

シャルル・ケクラン/室内楽作品集
1.ヴァイオリンとピアノのためのアンダンテOp6-3
2.ヴァイオリンとピアノのためのアレグレットOp6-2
3.4つの小品Op32
     〜ピアノ、ヴァイオリンとホルンのための
4.ラメント(哀歌)
  〜ピアノ、ヴァイオリン、チェロとホルンのため
5.ヴァイオリンとピアノのためのソナタOp64
6.フォーレの名によるコラールOp73-2
7.ピアノのための小品Op83-2
8.牧歌〜ヴァイオリンとヴィオラのための(1936)
9.ヴァイオリンとピアノのための小品(1906)

 ライムント・リシー(ヴァイオリン)(1〜5&8)
 ジャン・レイサム=ケーニッヒ(ピアノ)
            (1〜3、5〜7&9)
 ヘルムート・ツェートナー(ヴィオラ)(8)
 ラファエル・フリーダー(チェロ)(4)
 ウォルフガング・ヴラダー(ウィンナホルン)(3&4)
  録音 1998年8月 

 ウィーン・フィルのメンバーと仲間たちによるシャルル・ケクランの室内楽作品集です。
 ヴァイオリンとピアノのためのアンダンテはとても癒されます。美しい小品です。
 ヴァイオリンとピアノのためのアレグレットも同じです。なんともいえない美しい主題が流れます。
 4つの小品はピアノ、ヴァイオリンとホルンのための作品で、ケクランの作品の中でもよく演奏される作品です。第1曲:アンダンテはヴァイオリンの哀愁的な主題で始まり、続くホルンのメロディが美しいものでロマンスのようです。第2曲「非常に程よく」は穏やかなノクターンのようです。ホルンが美しい主題を歌います。第3曲:アレグレット・クワジ・アンダンティーノは物悲しい主題をヴァイオリンとホルンが奏でます。第4曲:スケルツァンドは短い小品ですが楽しそうに演奏しています。
 ラメント(哀歌)はピアノ、ヴァイオリン、チェロとホルンのための作品です。チェロに始まる哀愁的な主題がヴァイオリンに受け継がれていきます。そしてピアノ・トリオにホルンが加わります。このウィンナホルンの響きがまた何とも言えません。
 ヴァイオリンとピアノのためのソナタは4つの楽章で構成されています。ケクランのピアノの響きがきらびやかです。ヴァイオリンの響きが美しくて、第3楽章ではノクターンの美しさが絶品の演奏。第4楽章のアレグロは速くなく、程よいテンポで歌います。全曲35分の大曲です。
 フォーレの名によるコラールはピアノのための小品。ピアノのための小品Op83-2も穏やかなテンポの美しい作品です。
 ヴァイオリンとヴィオラのための牧歌は1936年の作品。短い小品ながらも2つの楽器が歌う牧歌は素晴らしいものです。
 ヴァイオリンとピアノのための小品は1906年の作品。子守歌のような美しい主題が流れます。


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