エリック・ラスク

モーツァルト/ホルン協奏曲全集
CD(Albany TROY1368)

モーツァルト/ホルン協奏曲全集
1.ホルン協奏曲第1番ニ長調K412&514
   (K514:ハンフリーズ校訂)
2.ホルン協奏曲第2番変ホ長調K417
3.ホルン協奏曲第3番変ホ長調K447
4.ホルン協奏曲第4番変ホ長調K495
5.ロンド変ホ長調K371(ハンフリーズ校訂)
6.フラグメント ホ長調K494a(ハンフリーズ版)
7.Flanders & Swann : V Wind

  エリック・ラスク(ホルン)(1〜6)
  リチャード・サルト(ヴォーカル)(7)
  サー・チャールズ・マッケラス指揮
     スコットランド室内管弦楽団
   録音 1993年12月4&5日

  エリック・ラスクのホルンは大変きれいでテクニックは抜群です。第1番の演奏は滑らかで大変きれいです。なおロンドはハンフリーズの校訂版で演奏しています。速めのテンポでオーケストラの勢いのある演奏にも注目でしょう。カデンツァは入りません。
  第2番は大変流麗なホルンでレガートもたくみです。しかも勢いがあって聞く者を引き込むようです。マッケラスの指揮棒のせいでしょうか。ラスクの演奏は時にブレインを彷彿させる音楽があります。ロンド楽章のテンポの速さには驚きます。序奏部分のトリルのあとに短いカデンツァが挿入されています。
  第3番は胸のすくような演奏です。マッケラスのス指揮するオーケストラの響きが素晴らしく、ホルンを支えるだけでなくオーケストラの存在感も十分です。カデンツァは長いものでゲシュトップト奏法を最後に取り入れた面白い演奏です。ロンドはここでも速い演奏で流麗なホルンを聞かせます。最後にアドリブ演奏が入っています。他の演奏では聞かれません。
  第4番はこれも流麗な演奏です。第1楽章ではモーツァルト得意の転調がありますがこの演奏でもその響きの美しさが見事に表現されています。カデンツァは第3番同様凝ったもので長いです。第2楽章:ロマンツァはとろけるようなホルンの響きが素晴らしい。第3楽章:ロンドはここでも速いテンポの演奏です。この楽章でも転調の美しさがあります。コーダ前にカデンツァが挿入されています。
  ロンドK371はハンフリーズの校訂版を使用していて、これは提示部の入るフルヴァージョンです。大変流麗なホルンで美しいモーツァルトの世界が広がります。カデンツァは無伴奏ホルン作品のように見事な演奏です。
  フラグメントK494aはハンフリーズの編曲で未完成のホルン・ソロだけの部分までオーケストレーションを施した版です。こちらもまた見事な演奏です。 
 なお最後の曲「Flanders & Swann」 は第4番の第3楽章:ロンドのヴォーカル版です。 ホルン・ソロは入りませんがカデンツァにあたる独唱部分は面白いです。


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