アンネケ・スコット

グノー/ピストン・ホルンとピアノのための6つのメロディ
CD(resonus RES10228)

角笛のメロディ
1.グノー/ピストン・ホルンのための6つのメロディ
2.ジョセフ=エミール・メフレ編/10のヴォカリーズ
   〜ピストン付きのホルンのためのメソッドより
   パンセロンの作品から4曲
   ボルドーニの作作品から6曲
3.ジャック=フランソワ・ガレ/
     シューベルトの6つのメロディ Op.51
   (アヴェ・マリア/舟歌/ます/少女の苦情/
      狩人の歌/マルゲリータ)
4.グノー/夜に(ブレモン編曲)

 アンネケ・スコット(ピストンホルン)(1、2&4)
      〃    (ナチュラルホルン)(3)
 スティーヴン・デヴァイン(ピアノ)
 録音 2018年4月3〜6日

 アンネケ・スコットの演奏でグノーの作品とメフレの編曲集やガレの編曲集などの珍しいホルン作品が録音されています。
 グノーのピストン・ホルンのための6つのメロディーは第1曲「ラルゲット」、第2曲「アンダンティーノ」、第3曲「アンダンテ」、第4曲「ラルゲット」、第5曲「アンダンテ・カンタービレ」、第6曲「アンダンテ・ベン・マルカート」からなる組曲ですが、すべて穏やかなテンポの穏やかなメロディーが流れます。スコットは1840年製の2本のピストンのついたホルンでの演奏です。いずれも滑らかで見事な演奏です。テンポは速めですが雰囲気のある演奏になっています。
 ジョセフ=エミール・メフレ編曲の10のヴォカリーズは半音階「ピストン付きのホルンのためのメソッド」の中から選んだものです。パンセロンの作品から「アンダンティーノ・モデラート」「アンダンティーノ」「アンダンテ」「モデラート」の4曲、ボルドーニの作品から「アンダンティーノ」「アンダンテ」「アンダンテ・マエストーソ」「アンダンテ」「ラルゴ」「アレグロ・ヴィヴァーチェ」の6曲が選ばれてピストンホルンのために編曲されています。いずれの作品もおだやかなテンポで演奏されます。最後の「アレグロ・ヴィヴァーチェ」だけが速いテンポで演奏されます。なお2本のピストンでは出せない音がストップ音で演奏されていますのでナチュラルホルンを吹いているようにも聞こえてきます。
 ジャック=フランソワ・ガレの「シューベルトの6つのメロディ」はシューベルトの歌曲から6曲を選んでホルンのために編曲したものです。スコットは6曲をナチュラルホルンで演奏しています。「アヴェ・マリア」の美しさは絶品です。ストップ音があまりにもきれいすぎるほど良い響きです。「舟歌」は軽やかに楽しそうに演奏しています。「ます」はピアノ五重奏曲の主題にもなっています。 ナチュラルホルンで演奏するのはかなり難しそうですがスコットの演奏は滑らかです。「少女の苦情」はホルンで叫ぶように聞こえます。「狩人の歌」は狩りのにぎやかさと静けさの表現がきれいです。「マルゲリータ」はストップ音の多い歌になっていますが大変素晴らしいホルンの響きです。
 グノーの「夜に」は歌曲からブレモンがホルンのために編曲したものです。穏やかな歌です。3本のピストンホルンによるきれいな響きです。


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