リチャード・ワトキンス

アーノルド/ホルン協奏曲第2番
CD(CONIFER CDCF172)

マルコム・アーノルド/協奏曲集(第1集)
1.2つのヴァイオリンと弦楽のための協奏曲Op77
2.クラリネットと弦楽のための協奏曲第1番Op20
3.フルートと弦楽のための協奏曲第1番Op45
4.ホルンと弦楽のための協奏曲第2番Op58

  ケネス・シリト(ヴァイオリン)(1)
  リン・フレッチャー(ヴァイオリン)(1)
  マイケル・コリンズ(クラリネット)(2)
  カレン・ジョーンズ(フルート)(3)
  リチャード・ワトキンス(ホルン)(4)
  マーク・スティーブンソン指揮
     ロンドン・ムジチ
   録音 1988年12月27〜30日

 このCDはアクロバット的な協奏曲といわれるマルコム・アーノルドの協奏曲集です。すべて弦楽合奏の伴奏になっています。このCDは何度聞いてもあきない楽しい曲ばかりです。
 2つのヴァイオリンと弦楽のための協奏曲は1962年にメニューインと彼の弟子アルバート・ライシーによって初演されています。ピチカートを多用する弦楽にのって2つのヴァイオリンが踊りだすかのような楽しい雰囲気の作品です。一度聴いたら忘れられそうもない強烈な印象を受けます。
 クラリネットと弦楽のための協奏曲第1番は1948年の作品、名手コリンズがソロを吹いています。弾けるような弦楽と踊るようなクラリネットによる明るい協奏曲です。
 フルートと弦楽のための協奏曲第1番は1954年の作品。カレン・ジョーンズの超絶技巧による華麗なフルートは素晴らしく、弦楽のみのオーケストラをバックにフルートの魅力たっぷりの演奏をきかせてくれます。
 ホルン協奏曲第2番は1956年にデニス・ブレインのために作曲されました。しかし、1957年のチェルトナム音楽祭で初演してまもなく事故で亡くなっています。この協奏曲はブレインのために書かれたこともあり、超絶技巧を必要とします。第1楽章の跳躍するような主題は長く、上昇下降の音階など息つくひまのないような難曲です。第2楽章:アンダンテ・グラチオーソは哀愁的なメロディが流れます。その中に強烈なゲシュトップ音が響きます。第3楽章の主題のきつさはあらゆるホルン協奏曲の中でもダントツで、超絶技巧を要する難曲です。録音が少ないのも納得でワトキンスの演奏は完璧です。録音は他にアラン・シヴィルとパイアットが残しています。


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