リチャード・ワトキンス

グリエール/ホルン協奏曲変ロ長調
CD(CHANDOS CHAN9379)

グリエール/管弦楽作品集
1.バレエ組曲「青銅の騎士」
2.ホルン協奏曲変ロ長調Op91

  リチャード・ワトキンス(ホルン)
  サー・エドワード・ダウンズ指揮
   BBCフィルハーモニー管弦楽団
   録音 1994年3月15&16日

 このCDはダウンズがシャンドス・レーベルに録音したグリエールの作品集の中の1枚です。交響曲全3曲とバレエ音楽、管弦楽曲とともにホルン協奏曲が選ばれました。
 バレエ音楽「青銅の騎士」は録音も珍しいので大変貴重です。13曲収録されています。吹奏楽ではよく演奏されるようですが原曲の録音は少なくこれはその中のひとつです。青銅の騎士とはピョートル大帝の銅像ということです。第3曲「広場での踊り」などを聴くとロシア・バレエの雰囲気がよく出ています。また「ダンスの情景」のようにヴィヴァーチェで演奏されるとステージの動きが目に浮かぶようです。
 ホルン協奏曲はアーノルドのホルン協奏曲同様に息をもつかせないほどの超難曲です。ワトキンスのホルン・ソロです。第1楽章冒頭のホルン・ソロは滑らかな演奏です。このホルン・ソロは長い主題を吹くようになっていますが、休符がほとんどないようで演奏はきついです。ワトキンスは息の長い演奏を滑らかに吹いています。展開部も息の長い主題が続きます。カデンツァは長く、高音から低音まで流麗な演奏です。再現部も滑らかに美しい響きで演奏しています。第2楽章のアンダンテは透明感のあるホルンでカンタービレを演奏しています。大変良い響きになっています。オーケストラの間奏はロシア的でこれも美しい響きです。第3楽章はモデラートの序奏のあとにアレグロ・ヴィヴァーチェの細かいフレーズの連続です。またロシア的な美しいフレーズもあります。途中に序奏のフレーズをホルンが独奏で演奏すると後半の軽快な主題の部分になります。速いフレーズが難しいところです。ワトキンスは素晴らしいテクニックで見事に吹きなしています。コーダは圧巻です。


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