ゲイル・ウィリアムズ

HORN MUSE/ホルンのための音楽
CD(自主制作)

 HORN MUSE/ホルンのための音楽
1.ダナ・ウィルソン/浅い流れ、深い河
    〜ホルン、ヴァイオリンとピアノのための
2.ダグラス・ヒル/歌と踊りのセット
3.ダナ・ウィルソン/物思い
4.アントニー・プログ/ホルン四重奏曲第1番

  ゲイル・ウィリアムズ(ホルン)(1〜4)
  ヨセフ・ゲヌアルディ(ヴァイオリン)(1)
  アラン・チョー(ピアノ)(1)
  ラリー・コムズ(クラリネット)(2)
  ピーター・ロイド(コントラバス)(2)
  シー・エ・ウー(パーカッション)(2)
  ジェニファー・ヘイゲ(ピアノ)(3)
  トマス・ベイコン(ホルン)(4)
  ウィリアム・バーネウィッツ(ホルン)(4)
  ウィリアム・カバレロ(ホルン)(4)
  ロバート・マクドナルド(ピアノ)(1)
   録音 2009年12月12日(1)
       2009年9月11&12日(2)
       2009年3月(3)
       2010年11月(4)

  シカゴ交響楽団のメンバーやアメリカの音楽仲間によるアンサンブル、ジャズセッションなどユニークなアルバムです。
  ダナ・ウィルソン(1946〜)のホルン三重奏曲「浅い流れ、深い河」は3つの楽章で構成され、第1楽章「自由に、ドラマテッィクに」は冒頭、ピアノの重低音とホルンの低音で深い河を、ピアノとヴァイオリンで河のきらめきを表現しているように感じます。第2楽章「大きな思いやりと親密で」は遅いテンポで穏やかな音楽、第3楽章「ゆったりと、ドラマチックに、エネルギッシュに」は遅いテンポに始まり、やがてエネルギッシュな音楽になります。演奏は難しいですが、楽しめる作品です。
  グラス・ヒル(1946〜)の「歌と踊りのセット」はジャズセッションで5つの曲の組曲といえます。ホルン、クラリネット、ベースとパーカッションによります。ビブラフォンやウッドブロックを使いますのできれいな響きになっています。第1曲「イントラーダ」はおだやかな前奏曲でホルンとクラリネットが夜明けのような音楽を奏でます。第2曲「ビーバップ風のカドリーユ」はスイングするかドリーユといったジャズで、ホルン、クラリネット、ビブラフォンが歌います。ベースとウッドブロックも入ります。第3曲「バラード」はベースとホルンに始まるバラードでホルンの美しいメロディが流れます。やがてクラリネットとの二重奏になります。ジャンルを超えた傑作バラードです。第4曲「気まぐれなワルツ」はクラリネットが歌い、ホルンはミュートを付けてハモっています。ビブラフォンがそこに入ります。短いベースのソロもあります。第5曲「ルンバで騒ぐ」はルンバのリズムで歌います。実に楽しいセッションです。
  ダナ・ウィルソンの「Musings(物思い)」はホルンとピアノのための9つの小品で、ギリシャ神話の9人のミューズを題材にしています。第1曲「カリオペ:雄弁と叙事詩の女神」、第2曲「ポリヒムニア:聖歌の女神」、第3曲「タリア:喜劇の女神」、第4曲「メルポメネ:悲劇の女神」、第5曲「エウテルペ:叙事詩の女神」、第6曲「エラト:性的な愛の女神」、第7曲「クレイオ:歴史の女神」、第8曲「ウラニア:天文の女神」、第9曲「テレプシコレ:合唱と舞踊の女神」の9曲です。ゲイル・ウィリアムズが9人のミューズを歌うという素晴らしい演奏の連続です。全曲20分を超える作品です。
  アントニー・プログ(1947〜)の「4本のホルンのための四重奏曲第1番」は4つの楽章で構成されています。第1楽章「レント、アレグロ・モデラート」、第2楽章「アレグロ・モルト」、第3楽章「ゆっくりと、そして自由に」、第4楽章「アレグロ・ヴィヴォ」でトマス・ベイコン、ウィリアム・バーネウィッツ、ウィリアム・カバレロという巨匠たちとの共演です。4本のホルンの和音がきれいです。これが初録音になります。


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