丸山 勉

「ムーン・リバー」&「ガブリエルのオーボエ」
CD(NAR NARD−5043)

ホルン・アンサンブル・ヴィーナス/パステル 
1.小林健太郎/輝ける明けの明星 
2.チャイコフスキー・ファンタジー(井澗昌樹編) 
3.ドビュッシー/小組曲(木村 裕編)
4.トイバー/スカボロー・フェア
5.ウーバー/4本のホルンのための組曲
6.マンシーニ/ムーン・リバー(木村 裕編)
7.マッコイ/アフリカン・シンフォニー(Cake藤原編)
8.モリコーネ/ガブリエルのオーボエ 
     (Cake藤原&Tom円矢松編)
  ホルン・アンサンブル・ヴィーナス
  北山 順子(ホルン)(1〜8)
   豊田 美加(ホルン)(1〜4、6&7)
   藤田麻理絵(ホルン)(1〜3、5、7&8)
   村中 美菜(ホルン)(1〜8)
   渡部奈津子(ホルン)(1〜8)
   丸山 勉 (ホルン)(6)
    〃   (フリューゲルホルン)(8)
   今井文香(パーカッション)(7&8)
    録音 2013年3月28日〜30日
    岩舟町文化会館コスモスホール

 ホルン・アンサンブル・ヴィーナスは2009年に4人のメンバーでデビュー、当初のメンバー庄司知世に代わり豊田美加と藤田麻理絵が加わって5人で活動しています。丸山勉氏は結成時からかかわっていてコンサートに賛助出演しています。このアルバムにも参加しています。
  初アルバムにはオリジナルのホルン作品が2曲とホルンのために編曲された作品6曲が収録されています。いずれも斬新な選曲と編曲で素晴らしいアルバムになりました。
  冒頭の小林健太郎/「輝ける明けの明星」は文字通りヴィーナス(金星)のことで、このアンサンブルの委嘱作品です。ヴィーナスたちのために演奏会の冒頭に演奏する曲として書かれました。「夜明けの空に輝く星の歌」でありこれからの活躍が楽しみのヴィーナスたちにピッタリです。
  「チャイコフスキー・ファンタジー」は井澗昌樹の編曲によります。第1楽章「四季より」はピアノ曲からの編曲で「刈り入れの歌」「狩りの歌」「トロイカで」が5本のホルンで演奏されます。第2楽章「独白」は交響曲第5番第2楽章と交響曲第6番「悲愴」第4楽章が交互に演奏されます。第5番はホルン・ソロが中心で、「悲愴」はホルンの聞かせどころが歌われます。この2曲の主題の交錯は面白いです。第3楽章「バレエへの誘い」は「くるみ割り人形」「白鳥の湖」「眠りの森の美女」の名旋律や「トレパーク」が歌われます。「眠りの森の美女のワルツ」と「白鳥の湖のワルツ」の主題が交互に演奏されたり、「白鳥の湖」の「グラン・パド・ドゥ」の主題をホルンで吹くとういうわくわくものや、「くるみ割り人形」の「芦笛のワルツ」をホルンで吹く楽しさもあり、トレパーク(ロシアの踊り)で終わります。
  ドビュッシーの「小組曲」は木村裕の編曲、原曲はピアノ連弾ですがビュッセルの編曲がよく演奏されます。この曲を4本のホルンのために編曲されていますが、1番を2人で担当しています。渡部の4番ホルンの厚みのある響きは素晴らしく、この曲では特に高音は使いませんので低音から中音域の響きをミュートを使いながら音の変化を表現しています。
  「スカボロー・フェア」といえばサイモンとガーファンクルのヒット曲ですがこの曲を4本のホルンで吹くとは思いませんでした。良い間奏曲になっています。
  デイヴィッド・アルバート・ウーバーの「4本のホルンのための組曲」はオリジナルのホルン作品です。聞く機会の少ない作品だけに録音には感謝です。第2楽章「バラード」の響きの良さは絶品です。第3楽章「マーチ」の楽しさは演奏してみたくなります。第4楽章「ファンファーレと踊り」は明るい響きとアンサンブルが見事です。
  「ムーン・リバー」は映画「ティファニーで朝食を」の中の音楽で大変有名です。ここでホルン・ソロを吹いているのは丸山勉氏で、かなりビヴラートをかけてグリッサンドを使った遊び心が入った名演奏です。
  アフリカン・シンフォニーは智弁和歌山が甲子園で応援歌として演奏して以来吹奏楽の定番になったようです。5本のホルンとパーカッションで元気の出る演奏になっています。
  「ガブリエルのオーボエ」は映画「ミッション」の中の音楽でメロディの美しさは絶品です。このソロを丸山氏がフリューゲルホルンで吹いています。
  なんともいえない良いアルバムができました。「パステル」のタイトルに相応しい音の絵画のようなアルバムです。中でもチャイコフスキーは傑作。


トップへ
戻る
前へ
次へ