クロード・モーリー

フランスのロマンティック・ホルン作品集
CD(RICERCAR RIC127)

1.デュヴェルノワ/ノクターン第2番変ホ長調
2.ガレ/カプリース第10番Op32−10
3.ロッシーニ/前奏曲、主題と変奏曲
4.ガレ/カプリース第12番Op32−12
5.ドープラ/6本のホルンの為の大六重奏曲ハ長調
6.ガレ/カプリース第1番Op32−1
7.グノー/ピストン・ホルンのための
        6つのメロディー

  クロード・モーリー(ナチュラルホルン)(1〜6)
       〃    (ピストンホルン)(7)
  トゥーニス・ファン・デァ・ズヴァールト
    (ナチュラルホルン)(5)
  ラファエル・ヴォセラー(ナチュラルホルン)(5)
  ピエト・ドンブレヒト(ナチュラルホルン)(5)
  ギレス・ランバッハ(ナチュラルホルン)(5)
  デニス・マートン(ナチュラルホルン)(5)
  ソフィー・ハリンク(ハープ)(1)
  グイ・ペンソン(ピアノフォルテ)(3&7)
   録音1998年5月

 ナチュラルホルンのスペシャリスト、クロード・モーリーを中心としたアルバムです。もう1枚のアルバムにはグノーの代わりにガレのカプリースが6曲とロッシーニの「狩のランデブー」が収録されています。
 デュヴェルノワのノクターン第2番をナチュラルホルンで演奏するのは大変難しいと思いますが、ズヴァールトよりも13年も前に録音していました。もともとナチュラルホルンのために書かれていますが、モーリーの演奏はモダンホルンのようにすらすら吹いています。
 ロッシーニの「前奏曲、主題と変奏曲」は恐らくバルブホルンができる頃には作曲されたと思われますが、ここではナチュラルホルンで演奏されています。この作品はナチュラルホルンの録音が珍しいので貴重な録音です。ピアノフォルテの伴奏によるこの演奏は18世紀の香りがします。
 ジャック・フランソワ・ガレのグランド・カプリース(全12曲)から1番、10番と12番の3曲が演奏されています。このカプリースはソロ・ホルンのための作品で大変演奏が難しいのですが、モーリーの演奏は完璧でこれほどきれいにナチュラルホルンを吹いてしまうとは驚きです。
 ドープラの「6本のホルンの為の大六重奏曲ハ長調」をナチュラルホルンで演奏しています。ここにズヴァールトが参加していますが、とにかくこの6名の演奏は驚きでチェコのメンバーが演奏しているかのような素晴らしいアンサンブルです。音色もナチュラルホルンとは思えないほど素晴らしく、ストップ音が快感になる見事な和音になっています。2008年にハビエル・ボネトらがナチュラルホルンで録音していますが、このモーリーらの演奏は斬新で他の演奏を圧倒する見事なアンサンブルです。
 グノーのピストン・ホルンのための6つのメロディーは第1曲「ラルゲット」、第2曲「アンダンティーノ」、第3曲「アンダンテ」、第4曲「ラルゲット」、第5曲「アンダンテ・カンタービレ」、第6曲「アンダンテ・ソステヌート」からなる組曲ですが、すべて穏やかなテンポの穏やかなメロディーが流れます。モーリーは1840年製の2本のピストンのついたホルンでの演奏です。滑らかな演奏です。(2018年発売)


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