ジェームズ・スタリアーノ

エリオット・カーター/木管五重奏曲(1965)

CD(RCA SONY Classical 19439946802-2)

CD2
1.ベートーヴェン/セレナーデ ニ長調Op25
2.アーヴィング・ファイン/弦楽三重奏のための
                    幻想曲
3.コープランド/ヴィテブスク
           (ユダヤの主題による習作)
4.エリオット・カーター/木管五重奏曲
5.ウォルター・ピストン/9つの楽器による
              ディヴェルティメント

 ドロイト・アンソニー・ドワイヤー(フルート)
               (1、4&5)
 ジョゼフ・シルヴァースタイン(ヴァイオリン)
               (1、2、3&5)
 バートン・ファイン(ヴィオラ)(1、2&5)
 ジュール・エスキン(チェロ)(2、3&5)
 クロード・フランク(ピアノ)(3)
 ラルフ・ゴンバーグ(オーボエ)(4&5)
 ジノ・チオッフィ(クラリネット)(4&5)
 シャーマン・ウォルト(ファゴット)(4&5)
 ジェームズ・スタリアーノ(ホルン)(4)
 アルフレッド・クリップス(ヴァイオリン)(5)
 ジョルジュ・モルー(コントラバス)(5)
 録音 1964年10月26日(1)
     1965年2月9日(2&3)
     1965年4月26日(4&5)
    ボストン、シンフォニーホール

 ボストン交響楽団室内アンサンブルによる演奏です。10枚組のCD2になります。
 ベートーヴェンの「セレナーデ ニ長調」はフルート、ヴァイオリンとヴィオラの三重奏曲です。ベートーヴェンのフルート作品として有名な曲です。6つの楽章で構成されています。ドロイト・アンソニー・ドワイヤーのフルート、ジョゼフ・シルヴァースタインのヴァイオリン、バートン・ファインのヴィオラによる演奏です。第1楽章の愛らしい主題が印象的です。ドワイヤーのフルートが美しいです。第3楽章のアレグロ・モルトの勢いのある演奏もきれいです。第4楽章のアンダンテは変奏曲が2つあります。ベートーヴェンらしい美しい響きの演奏です。第5楽章から第6楽章も勢いのある演奏です。これは素晴らしい演奏です。
 アーヴィング・ファインの「弦楽三重奏のための幻想曲」はシルヴァースタインのヴァイオリン、ファインのヴィオラ、エスキンのチェロによる演奏です。3つの楽章で構成されています。美しい響きの第1楽章、力強いテクニックが冴える第2楽章のスケルツォ、そして第3楽章はレント・アッサイ・トランクウィロは優雅な響きの名作です。
 コープランドの「ヴィテブスク(ユダヤの主題による習作)」はヴァイオリン、チェロとピアノによる三重奏曲です。シルヴァースタインのヴァイオリン、エスキンのチェロとクロード・フランクのピアノによる演奏です。3つの楽章で構成されていますが切れ目なしに演奏されます。第1楽章は力強い響きのフレーズが続きます。第2楽章のアレグロ・ヴィヴァーチェはピアノとヴァイオリンの細やかな演奏がきれいです。そして第3楽章のグラーヴェは穏やかで哀愁的な響きです。良い演奏です。
 エリオット・カーターの「木管五重奏曲」はドワイヤーのフルート、ゴンバーグのオーボエ、チオッフィのクラリネット、ウォルトのファゴットとスタリアーノのホルンによる演奏です。第1楽章「アレグレット」、第2楽章「アレグロ・ジョコーソ」の2つの楽章になります。これは美しい木管とホルンによるアンサンブルです。2つの楽章とも美しい響きの演奏です。このCDではホルンが聴かれるのはこの作品だけでした。
 ウォルター・ピストンの「9つの楽器によるディヴェルティメント」はフルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、2つのヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとコントラバスによる演奏です。ホルンは入りません。3つの楽章で構成されています。第1楽章「アレグロ」は木管と弦楽の爽やかな響きの演奏です。第2楽章「トランクウィロ」は穏やかなテンポでオーボエがきれいな主題を演奏しています。そしてフルートが受け継いでいます。第3楽章「ヴィヴォ」は速いテンポで快適なアンサンブルになっています。楽しい気持ちになりそうな作品です。


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