ミロスラフ・シュテフェック

バッハ/ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調
CD(SUPRAPHON COCO-83812/3)2枚組

バッハ/ブランデンブルク協奏曲全集
CD1
1.ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調BWV1046
2.       〃      第2番ヘ長調BWV1047
3.       〃      第3番ト長調BWV1048
CD2
4.ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調BWV1049
5.       〃      第5番ニ長調BWV1050
6.       〃     第6番変ロ長調BWV1051

 ミラン・ムンツリンゲル指揮
  アルス・レディヴィヴァ合奏団
 ミロスラフ・シュテフェック(ホルン)(1)
 ルドルフ・ベラーネク(ホルン)(1)
 スタニスラフ・ドゥホーニュ(オーボエ)(1&2)
 イルジー・ミフレ(オーボエ)(1)
 ヤロスラフ・ヴァゴウン(オーボエ)(1)
 ヴァーツラフ・スニーテイル(ヴァイオリン)(1〜5)
 カレル・ビドロ(ファゴット)(1)
 ヨゼフ・ハーラ(チェンバロ)(1〜4&6)
 モーリス・アンドレ(トランペット)(2)  
 フランチシェク・チェフ(フルート)(2、4&5)
 フランチシェク・スラーマ(チェロ)(2、3&5)
 ヤロスラフ・ヨシーフコ(フルート)(4)
 ヴィクトリエ・シュヴィーリーコヴァー(チェンバロ)(5)
 ヤロスラフ・モトリーク(ヴィオラ)(6)
 カレル・ジェハーク(ヴィオラ)(6)
 フランチシェク・スラーマ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)(6)
 カレル・ノヴォトニー(チェロ)(6)
 フランチシェク・ポシュタ(ヴィオローネ)(6)
  録音 1965年2、4、5&9月
     プラハ/ドモヴィナ・スタジオ

 チェコのフルート奏者ミラン・ムンツリンゲル指揮のアルス・レディヴィヴァ合奏団によるブランデンブルク協奏曲全集です。第2番のトランペットはモーリス・アンドレが演奏しています。

 ブランデンブルク協奏曲第1番の演奏は2本のホルンと3本のオーボエによる響きの美しさがあります。スニーテイルのヴァイオリンもきれいに響きます。シュテフェックのホルンがきれいに響きます。第2楽章もドゥホーニュらのオーボエの美しい響きとヴァイオリンの響きがきれいです。第3楽章は2本のホルンがきれいに響きます。ミロスラフ・シュテフェックとルドルフ・ベラーネクのホルンのうまさも抜群です。ヴァイオリンのソロもきれいです。第4楽章のメヌエットは程よいテンポです。第1トリオのオーボエとファゴットの美しい響きはきれいです。ポロネーズは、やや遅めのテンポできれいな演奏です。第2トリオのホルンとオーボエはやや遅めのテンポで大変良い響きの見事な演奏です。このメヌエットはきれいな演奏です。

 ブランデンブルク協奏曲第2番はモーリス・アンドレのトランペットのきれいな響きが素晴らしい。またオーボエやフルートの響きもきれいです。第2楽章はヴァイオリンとオーボエ、フルートのトリオが大変きれいです。通奏低音もきれいです。第3楽章ではトランペットの高域の音が飛び交いますので華やかです。アンドレのトランペットは大変素晴らしい演奏です。フルート、ヴァイオリンとオーボエの響きもまたきれいです。

 ブランデンブルク協奏曲第3番はやや速めのテンポの第1楽章は弦楽の美しさがあります。第2楽章のアダージョは短いですが弦楽にチェンバロが重なってよい響きです。第3楽章のアレグロは緻密な演奏の弦楽が素晴らしいです。

 ブランデンブルク協奏曲第4番は2本のフルートで演奏しています。ヴァイオリンの響きもまたきれいです。フランチシェク・チェフとヤロスラフ・ヨシーフコのフルートの響きは実に美しいものです。第2楽章は冒頭の弦楽がよい響きです。フルートとヴァイオリンも良い響きを出しています。第3楽章の冒頭はフーガですが、このムンツリンゲルの演奏はさすがに素晴らしいものになっています。2本のフルートの美しい響きとスニーテイルのヴァイオリンも見事な演奏です。

 ブランデンブルク協奏曲第5番は弦楽の爽やかな序奏とフルート、ヴァイオリン、チェンバロが演奏するバッハの代表的な協奏曲のひとつです。フランチシェク・チェフのフルート、ヴァーツラフ・スニーテイルのヴァイオリンとヴィクトリエ・シュヴィーリーコヴァーのチェンバロの素晴らしい演奏が聞かれます。後半のチェンバロ・ソロも見事なものです。第2楽章はチェンバロとフルートのやわらかな響きとヴァイオリンのトリオ・ソナタがきれいです。チェンバロのメロディもまた聴きものです。通奏低音もきれいに入ります。第3楽章の跳ねるようなリズムはヴァイオリンとフルートの息の合った演奏が聴きどころでしょう。チェンバロもこれはきれいな演奏です。

 ブランデンブルク協奏曲第6番はヴィオラ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェロ、ヴィオローネとチェンバロだけによるいわば中低音楽器だけによる演奏です。第1楽章はヴィオラとガンバが主役でシンコペーションの主題が交錯しますが緻密で素晴らしい演奏になっています。勢いがあります。第2楽章はガンバが抜けてヴィオラとチェロが優雅に演奏します。第3楽章は全合奏でフーガのように追いかけてゆく主題が繰り返されています。程よいテンポでこれも素晴らしい演奏です。


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