ハワード・ウォール

17世紀から21世紀までの音楽(CD1)(2018〜20)
CD(Affetto AF2001)2枚組

17世紀から21世紀までの音楽
CD 1
1. ハインリヒ・イグナーツ・F・ビーバー(1644-1704)
 :描写的ソナタからアレグロ〜ヴァイオリンとホル
      (ダルヴァロワ&ウォール編)
2. マラン・マレ(1656-1728): 「スペインのフォリア
  による4つの変奏曲」ヴァイオリンとホルン
       (ダルヴァロワ&ウォール編)
3. ヨハン・セバスチャン・バッハ(1685-1750)
   二重協奏曲からヴィヴァーチェ BWV 1043
        ヴァイオリンとホルン(ウォール編)
4. ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(1685-1759)
   歌劇「リナルド」から「私を泣かせてください」
  ヴァイオリンとホルン(ダルヴァロワ&ウォール編)
5. ヤコボ・バセヴィ・チェルベット(1690-1783)
   ソナタ第6番からアラ・ブレーブ Op. 1
    〜ヴァイオリンとホルン(ウォール編)
6. ジョゼフ=ニコラ=パンクラス・ロワイエ(1703-1755)
  組曲からのバガテル〜ヴァイオリンとホルン
      (ダルヴァロワ&ウォール編)
7. ヴォルフガング・A・モーツァルト (1756-1791)
  ヴァイオリンとヴィオラの二重奏曲第1番K423
  ロンド〜ヴァイオリンとホルン(ウォール編)
8. ニコライ・リムスキー=コルサコフ(1844-1908)
  交響組曲「シェエラザード」から
  〜ヴァイオリンとホルン(ダルヴァロワ&ウォール編)
9. ヴァーノン・デューク (1903-1969)/エチュード
    〜ヴァイオリンとホルン(ウォール編)
10. セレブリエル(1938〜)一つの心が壊れるのを
  止めることができれば (E・ディキンソンより)
       〜ヴァイオリンとホルン
11. ドミトリ・スミルノフ(1948〜):DSCH :ヴァイオリンと
    ホルンのためのアンティフォンOp118bis1
12. デューク・エリントン(1899-1974)
        ブラックビューティー
   〜ヴァイオリンとホルン(ダルヴァロワ&ウォール編)
13. ヴァシリー・ロバノフ (1947〜)
    ヴァイオリンとホルンのための祈り
14. ルイス・アンホス・テイシェイラ (1961〜)
       ダンサ・セルティベリカ
      〜ヴァイオリンとホルン(ウォール編)
15. ヤン・バッハ (1937〜):「グラモフォン」
    ヴァイオリンとホルン(ダルヴァロワ編)
16. グリエール(1875-1956)ヴァイオリンと
  チェロのための8つの小品から「間奏曲」Op.39
      〜ヴァイオリンとホルン(ウォール編)
17. ブルガリア民謡:「夢見るトドラ」 & 「ガンキノ・ホロ」
     〜ヴァイオリンとホルン(ダルヴァロワ編)
18. ゾルト・ナジ(1957〜):独奏ホルンのための
              ハッピー・ブルース
19. ノーマン・ゾーチャー/独奏ヴァイオリンのための
               ロック倫理
20. バグ・バウアー (1922〜)バップデュエット No.9
   〜ヴァイオリンとホルン(ダルヴァロワ&ウォール編)
21. ブルース・トンプソン (1937)
  「ウン・ディアリオ・エスパニョール、パギナ92」
  断章〜ヴァイオリンとホルン(ダルヴァロワ編)
22. 北村ゆい (1983〜) 鳥とサンザシの木
        〜ヴァイオリンとホルンのための
23. アストル・ピアソラ (1921-1992):リベルタンゴ
  〜ヴァイオリンとホルン(ダルヴァロワ&ウォール編)

 エルミラ・ダルヴァロワ(ヴァイオリン)
         (1〜17、19〜23)
 ハワード・ウォール(ホルン)(1〜18、20〜23)
 録音 2018〜2019年

 エルミラ・ダルヴァロワのヴァイオリンとハワード・ウォールのホルンによるデュオのアルバムです。これは17世紀から21世紀までの幅広い年代にわたって選ばれた作品がヴァイオリンとホルンのために編曲して演奏されています。
 ハインリヒ・イグナーツ・フランツ・ビーバー (1644-1704)の「描写的ソナタからアレグロ」はヴァイオリン・ソナタをヴァイオリンとホルンのためにダルヴァロワとウォールが編曲したものです。ヴァイオリンはビーバーのロザリオのソナタを思わせる独特の奏法で素晴らしいものです。ホルンは通奏低音になります。
 マラン・マレ (1656-1728)の「スペインのフォリアによる4つの変奏曲」はヴァイオリンとホルンのためにダルヴァロワとウォールが編曲したものです。ヴィオールのための作品ですから、ヴァイオリンは腕の見せ所です。ホルンはほとんど通奏低音になります。
  ヨハン・セバスチャン・バッハ (1685-1750の二重協奏曲からヴィヴァーチェはおなじみの作品をヴァイオリンとホルンのためにハワード・ウォールが編曲したものです。2つのヴァイオリンのための協奏曲をヴァイオリンとホルンで演奏する楽しさがあります。面白いデュオです。
  ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル (1685-1759)の歌劇「リナルド」から「私を泣かせてください」はヴァイオリンとホルンのためにダルヴァロワとウォールが編曲したものです。オペラのアリアで悲しい場面を思わせる哀愁的な主題をヴァイオリンとホルンが歌います。
  ヤコボ・バセヴィ・チェルベット (1690-1783)のソナタ第6番からアラ・ブレーブは2つのヴァイオリンのための作品を、ヴァイオリンとホルンのためにハワード・ウォールが編曲したものです。2つのヴァイオリンで演奏するものとは異なる印象を受けると思います。まさに新しい作品のようです。世界初録音になります。
  ジョゼフ=ニコラ=パンクラス・ロワイエ (1703-1755)のバガテルの組曲はクラヴサン曲からヴァイオリンとホルンのためにダルヴァロワ&ウォールが編曲したものです。18世紀のクラヴサン曲がヴァイオリンとホルンで演奏されると、またいいものです。短い小品です。
  ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト (1756-1791)のヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲第1番K423からロンドはヴァイオリンとホルンのためにハワード・ウォールが編曲したものです。ホルンはほとんどヴィオラのパートを演奏しているようですが、さすがにモーツァルトの作品は素晴らしいものです。美しい作品です。ホルンのためのロンドのようでもあります。世界初録音になります。
  ニコライ・リムスキー=コルサコフ (1844-1908)の交響組曲「シェエラザード」からの抜粋はヴァイオリンとホルンのためにダルヴァロワとウォールが編曲したものです。第3楽章の後半のヴァイオリン・ソロに始まります。ここからは原曲にもホルン・ソロがありますので、ヴァイオリンとホルンで演奏するにはいいところです。よい編曲です。見事な演奏です。これも世界初録音になります。
  ヴァーノン・デューク (1903-1969)の「エチュード」はヴァイオリンとファゴットのための作品をヴァイオリンとホルンのためにハワード・ウォールが編曲したものです。ヴァイオリンに始まって。やがてホルンが入ってきます。ホルンとファゴットは音域が似ていますので演奏しやすいと思います。よいアンサンブルです。
  ホセ・セレブリエル (1938〜):一つの心が壊れるのを止めることができれば (エミリー・ディキンソンより)はヴァイオリンとホルンのための作品。2017年にダルヴァロワとハワード・ウォールのために書かれています。これが世界初録音。ヴァイオリンが始まると朗読が少しあってからホルンが入ります。題名の通り希望に満ちた音楽です。指揮者でもあるセレブリエルのオリジナル作品です。後半にも詩の朗読があります。二人が交代で朗読しています。
  ドミトリ・スミルノフ (1948〜)の「DSCH: ヴァイオリンとホルンのためのアンティフォン」はオリジナル作品です。穏やかに始まります。半音の面白さがあります。そして2つの楽器が対話するように歌います。この作品は面白いです。トリルをよく使います。後半ではピツィカートの連続です。静かに終わります。
  デューク・エリントン (1899-1974)の「ブラック・ビューティー」はヴァイオリンとホルンのためにダルヴァロワとハワード・ウォールが編曲しています。アメリカの演奏家ですから、このスイングジャズ風の曲を楽しそうに演奏しています。これぞアメリカの音楽です。
  ヴァシリー・ロバノフ (1947〜)の「ヴァイオリンとホルンのための祈り」はオリジナル作品です。これも世界初録音になります。穏やかな祈りの音楽に始まります。ホルンの美しい調べもまた素晴らしいものです。
  ルイス・アンホス・テイシェイラ (1961)の「ダンサ・セルティベリカ」はヴァイオリンとチェロのデュオ作品をヴァイオリンとホルンのためにハワード・ウォールが編曲したものです。踊るような楽しい音楽です。ヴァイオリンのソロとそれを支えるホルンの響きはまたいいものです。チェロのように演奏するホルンもきれいです。
  ヤン・バッハ (1937〜)の「4つの2ビット・コントラプション」第3曲「グラモフォン」はヴァイオリンとホルンのためにダルヴァロワが編曲したものです。速いテンポでヴァイオリンが演奏して、ホルンがついていきます。楽しい小品です。
  レインゴリト・グリエール(1875-1956)のヴァイオリンとチェロのための8つの小品から「間奏曲」はヴァイオリンとホルンのためにハワード・ウォールが編曲したものです。優しさに満ちた美しい主題を2つの楽器が演奏します。素晴らしい小品です。
  ブルガリア民謡「夢見るトドラ」と「ガンキノ・ホロ」はヴァイオリンとホルンのためにダルヴァロワが編曲したものです。ヴァイオリンの歌う民謡は穏やかな歌の前半「夢見るトドラ」とにぎやかでせわしい後半「ガンキノ・ホロになっています。2つの民謡の面白さがあります。
  ゾルト・ナジ (1957〜)はハンガリーのホルン奏者。「独奏ホルンのためのハッピー・ブルース」は独奏ホルンのための作品です。アメリカのブルースを歌うようにホルンが多彩な表現をしながら演奏しています。フラッタータンギングも使います。ハイトーンから超低音まで超絶技巧が必要な作品です。ハワード・ウォールの超絶技巧が素晴らしいです。
  ノーマン・ゾーチャーの「独奏ヴァイオリンのためのロック倫理」はオリジナル作品。カデンツァがミミ・ラブソンによるものです。ダルヴァロワのヴァイオリン・ソロは力強く響きます。激しさもあるロックンロールのヴァイオリンの演奏です。圧巻です。
  バグ・バウアー (1922〜)の「バップ・デュエット第9番」はヴァイオリンとホルンのためにダルヴァロワとハワード・ウォールが編曲したものです。スイングジャズ風の作品です。これも楽しそうな小品です。
  ブルース・トンプソン (1937〜)の「ウン・ディアリオ・エスパニョール、パギナ92」のフラグメントは2つのホルンのための作品ですが、これをヴァイオリンとホルンのためにダルヴァロワが編曲したものです。ホルンの演奏にのってヴァイオリンが美しい主題を演奏しています。きれいな小品です。
  北村ゆい (1983〜)の「鳥とサンザシの木」はヴァイオリンとホルンのための作品です。ダルヴァロワとハワード・ウォールのために書かれています。勿論これが世界初録音になります。ヴァイオリンが鳥のさえずりのように歌います。ホルンは朗々と楽しそうに歌います。よい小品です。
  アストル・ピアソラ (1921-1992)の「リベルタンゴ」はピアソラの代表的な作品です。これをヴァイオリンとホルンのためにダルヴァロワとハワード・ウォールが編曲したものです。ホルンは低音で伴奏にまわり、ヴァイオリンが主題を歌います。途中からホルンが主題を歌います。後半ではまたヴァイオリンが主題を歌います。この素晴らしい編曲と演奏は見事なものです。
(アルバムの曲数が多いのでCD2は別に書きます)


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