O/フランシス・オーヴァル

ロッスム/ホルン、ピアノと管弦楽のための協奏交響曲(1969)

CD(ETCETERA KTC1677−3)

1.プロコフィエフ/ピアノ協奏曲第2番ト短調Op16
2.デフレーセ/ピアノ協奏曲第4番
3.ロッスム/ホルン、ピアノと管弦楽のための
                協奏交響曲Op11

 アンドレ・デ・フローテ(ピアノ)(1〜3)
 フランシス・オーヴァル(ホルン)(3)
 フェルナン・テルビ指揮
  BRTフィルハーモニー管弦楽団(1&2)
 フレデリク・デフレーセ指揮
  ベルギー国立管弦楽団(3)
 録音 1980年3月6日ライヴ(1)
     1989年3月2日ライヴ(2)
     1969年(3)

 ベルギーの名ピアニスト、アンドレ・デ・フローテのアルバムからの1枚です。珍しいロッスムの協奏交響曲でフランシス・オーヴァルがホルンを演奏しています。
 プロコフィエフのピアノ協奏曲第2番はピアノ協奏曲第3番と並ぶ名曲です。第1楽章「アンダンティーノ」の哀愁的な主題が大変感動的です。第2楽章「スケルツォ・ヴィヴァーチェ」はピアノのきらめきが素晴らしい響きです。プロコフィエフらしい響きがオーケストラで演奏されています。第3楽章は間奏曲で「アレグロ・モデラート」になります。オーケストラとピアノが作り出す響きの素晴らしさがあります。第4楽章の「アレグロ・テンペストーソ」は華やかな序奏に始まって厚い響きの音楽になります。カデンツァもありアンドレ・デ・フローテのピアノが素晴らしい演奏です。
 フレデリク・デフレーセ(1928〜)はベルギーの作曲家で指揮者です。ピアノ協奏曲第4番は第1楽章「序奏と変奏曲」と第2楽章「フィナーレ」の2つの楽章になっています。第1楽章は暗い響きの序奏のあとに現代的な響きのオーケストラをバックにピアノが演奏されています。そして勢いがあります。カデンツァは奥深い響きがあります。コーダに美しいホルンが響きます。第2楽章は速いテンポの演奏でピアノとオーケストラが一体化した響きが素晴らしいです。
 フレデリク・ヴァン・ロッスム(1939〜)はベルギーの作曲家、ホルン、ピアノと管弦楽のための協奏交響曲は3つの楽章で構成されていて、第1楽章「アレグロ」はピアノが歌うとホルンが朗々と歌います。オーヴァルのホルンがホルン協奏曲のように響きます。オーケストラは厚い響きで現代的な演奏です。その中にあってホルンの存在感は素晴らしいです。ハイトーンも使う展開部は迫力があります。後半には情景描写的な部分もあり素晴らしい演奏です。第2楽章「アダージョ・モルト」は序奏のオーケストラが荘重な響きで始まります。そしてホルンとピアノが入ります。何と素晴らしい音楽でしょうか。ピアノオブリガード付きのホルン協奏曲になっています。コーダは弱奏が美しい響きになっています。第3楽章「ヴィヴァーチェ」ではピアノとホルンが軽快な主題を演奏しています。きらめくピアノがホルンの引き立て役になっています。動きのある主題が大変素晴らしい演奏です。これほどの名曲が埋もれているのは惜しいことです。もっと演奏してほいいものです。これは絶賛したい名演奏です。拍手を送ります。


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