ヴラディミラ・クランスカ

ヤナーチェク/コンチェルティーノ/組曲「青春」(1999)
CD(PRAGA PRD 250 134)

ヤナーチェク/室内楽作品集
1.コンチェルティーノ
2.おとぎ話
3.組曲「青春」
4.カプリッチョ「挑戦」

 イヴァン・クランスキー(ピアノ)(1、2&4)
 プラハ木管五重奏団
 ヤン・リエドルバウフ(フルート)(3&4)
 ユリー・リキン(オーボエ)(3)
 ヴラスティミル・マレシュ(クラリネット)(3)
 ヴラディミラ・クランスカ(ホルン)(1&3)
 ミロシュ・ヴィフテルレ(ファゴット)(1&3)
 ヤロスラフ・マレク(クラリネット)(1)
 マレク・イェリエ(チェロ)(2)
 ズビニェク・ツィーハ(バス・クラリネット)(3)
 イルジー・フルニーク(ヴァイオリン)(1)
 ヴラディミル・クランスキー(ヴァイオリン)(1)
 ヤン・ニクリーン(ヴィオラ)(1)
 ヴラディスラフ・コジェルカ(トランペット)(4)
 ヤン・フィシェル(トランペット)(4)
 イルジー・オドハーゼル(トロンボーン)(4)
 ヤン・ヒンチカ(トロンボーン)(4)
 アントニン・ケッレル(トロンボーン)(4)
 イルジー・ノヴォトニー(テノール・テューバ)(4)
 トマーシュ・コウトニーク指揮(4)
 録音 1999年7月

 チェコの演奏家たちによるヤナーチェクの作品集です。
 ヤナーチェクの「コンチェルティーノ」は2つのヴァイオリン、ヴィオラ、クラリネット、ホルン、ファゴットとピアノのための作品です。4つの楽章で構成されていて全員の演奏は第3、第4楽章だけです。第1楽章の「モデラート」はホルンとピアノで演奏されます。単調な主題と動きのある主題があります。クランスカののホルンは明るい響きでボヘミアのホルンらしいきれいな演奏です。さすがにチェコのホルンはよい響きです。ピアノのクランスキーはフィルクシュニーの流れをくんだような素晴らしい演奏です。第2楽章の「ピュー・モッソ」はクラリネットとピアノのデュオです。クラリネットが華やかに忙しく歌います。ピアノも大変素晴らしい響きです。第3楽章の「コン・モト」は全員の演奏になりますが、ピアノとヴァイオリンが目立ちます。ホルンは和音だけになります。第4楽章の「アレグロ」も全員の演奏です。ピアノの響きに圧倒されますが、ホルンのフレーズも聞こえます。ヤナーチェクの素晴らしい作品のひとつです。
 「おとぎ話」はチェロとピアノのための作品です。3つの小品で構成されています。マレク・イェリエのチェロ独奏です。第1曲ではピツィカートが使われています。そして流れるような主題は物語のようです。第2曲ではピアノも素晴らしい響きでチェロのピツィカートがここでも聞かれます。第3曲はアレグロで流れるような演奏が素晴らしいです。
 組曲「青春」は木管五重奏にバス・クラリネットが加わった六重奏です。4つの楽章で構成されています。第1楽章のアレグロは木管楽器が元気に行進するような勢いです。ホルンが応援します。クランスカの吹くホルンは明るいです。大変素晴らしい響きです。第2楽章のアンダンテ・ソステヌートは哀し気な足取りで歩くような音楽です。穏やかなホルンも大変きれいです。「青春」にはいろいろな道があります。第3楽章のヴィヴァーチェは元気そのものです。オーボエやフルートの元気な姿をホルンやファゴットが追いかけます。フィナーレのアレグロ・アニマートはフルートとクラリネットが主題を提示すると他の管楽器がにぎやかに応答します。ホルンの明るい響きがきれいです。この「青春時代」を思わせる音楽は楽しいです。演奏も楽しそうです。
 「カプリッチョ」は「挑戦」の副題があり、左手ピアノ、フルート、2本のトランペット、テノール・テューバと3本のトロンボーンで演奏されます。第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「アレグレット」、第4楽章「アンダンテ」となっています。第1楽章と第2楽章ではテノール・テューバがホルンのように聞こえてくるのが楽しいです。金管楽器の中にフルートが響くのが印象的です。第4楽章もトロンボーンとフルートの響きがきれいです。クランスキーのピアノは左手とは思えないほど大変素晴らしい響きです。金管楽器は明るい響きが印象的です。


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