グレゴリー・ミラー

メリーランド大学ブラス・トリオ/ブラス・トリオ集(2009)
CD(Albany TROY1222)

ブラス・トリオ集
1.イウェイゼン/フィルハーモニック・ファンファーレ
2.ベルノフスキー/金管楽器のための三重奏曲
3.プログ/金管楽器のための三重奏曲
4.ネリベル/金管楽器のための三重奏曲
5.ホヴァネス/3つの幻想曲Op70
6.サンプソン/ダンカン・トリオ

メリーランド大学ブラス・トリオ
クリス・ゲッカー(トランペット)(1、2、4&5)
    〃   (フリューゲルホルン)(3&6)
グレゴリー・ミラー(ホルン)
マシュー・ギルフォード(バス・トロンボーン)
                 (1〜3、5&6)
        〃    (テナー・トロンボーン)(4)
  録音 2009年7月&8月 

 メリーランド大学ブラス・トリオによるブラス・トリオ集です。
 エリック・イウェイゼン(1954〜)はアメリカの作曲家です。「フィルハーモニック・ファンファーレ」は1996年にニューヨク・フィルハーモニックのために書かれました。トランペット、ホルンとトロンボーンによるファンファーレです。
 ローレン・ベルノフスキー(1967〜)の「金管楽器のための三重奏曲」は3つの楽章で構成されています。第1楽章「アレグロ・デチーソ」、第2楽章「子守歌」第3楽章「ヴィヴォ」となっています。第1楽章から3つの楽器のよい響きが聴かれます。第2楽章の「子守歌」ではトランペットが優しい子守歌を歌います。第3楽章では軽快な主題がホルンで歌われます。
 アントニー・プログ(1947〜)の「金管楽器のための三重奏曲」は2つの部分で構成され、パート1は「アレグロ・ヴィヴァーチェ」「アンダンテ」「アレグロ・モデラート」の3楽章、パート2は「アダージョ」「アレグロ・ヴィヴァーチェ」の2つの楽章になっています。全曲19分の作品です。それぞれの楽器がソロを吹く作品の美しさがあります。パート1の「アンダンテ」の美しさ、「アレグロ・モデラート」の明るさ、パート2の「アダージョ」ではホルンの響きの素晴らしさ、そして重なる和音の美しさがあります。
  ヴァーツラフ・ネリベル(1919〜1996)の「金管楽器のための三重奏曲」は3つの楽章で構成され、第1楽章の快活な演奏が気持ちよく響きます。第2楽章の「アンダンテ・モデラート」ではミュートを使うのでその響きが面白いです。第3楽章の「モルト・ヴィヴォ」は長い楽章で速いテンポの部分とゆったりとしたテンポの部分があって聴きごたえがあります。後半にはミュートを使う部分があって変化に富んだ作品です。
 アラン・ホヴァネス(1911〜2000)の「3つの幻想曲」は第1曲「アンダンテ・エスプレシーヴォ」の穏やか主題の美しさ、第2曲「アレグレット」の哀愁的な主題を歌う3つの楽器の響きが素晴らしいです。第3曲「モルト・ラルゴ」もファンタジックな響きが流れます。素晴らしい作品です。
 デイヴィッド・サンプソン(1951〜)の「ダンカン・トリオ」はアメリカのソウル・シンガー、ジェームズ・ダンカンの50歳の誕生日を記念にして作曲された作品。3つの楽章で構成され、快活な第1楽章、讃美歌のような第2楽章、第3楽章の「ゆがんだダンス」では3つの楽器の交錯が面白いです。


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