フェリックス・クリーザー

モーツァルト/ホルン協奏曲全集
CD(Berlin Classics 0301188BC)

モーツァルト/ホルン協奏曲全集
1.ホルン協奏曲第4番変ホ長調K495
2.ホルン協奏曲第3番変ホ長調K447
3.ホルン協奏曲第1番ニ長調K412&514
4.ホルン協奏曲第2番変ホ長調K417 

  フェリックス・クリーザー(ホルン)
  カメラータ・ザルツブルク
   録音 2018年9月21〜23日 
   ザルツブルク・モーツァルテウム大ホール

 フェリックス・クリーザーは生まれつき腕がなく、足でホルンのバルブを器用に操作しながら演奏していますが、その腕前の凄さには度肝を抜かれます。この録音では指揮者なしのカメラータ・ザルツブルクとの共演です。
 ホルン協奏曲第4番はオーケストラとの息もピッタリです、ホルンの鮮やかな演奏は見事なものです。安定した音色と音楽性の素晴らしさがあります。第1楽章のカデンツァは長大なもので素晴らしい演奏です。第2楽章のロマンツェはやや速めながらも美しい演奏です。第3楽章のロンドは軽快な演奏です。コーダの前に見事なカデンツァが入ります。
 ホルン協奏曲第3番は滑らかなホルンのソロで、素晴らしい主題が流れます。レガート、スラー、実に流麗な演奏です。第1楽章のカデンツァはこれもクリーザーの自作で見事な演奏、ここでも広い音域の素晴らしいカデンツァが聴かれます。第2楽章のロマンツェはここでもやや速めの演奏です。きれいなモーツァルトです。第3楽章のアレグロはオーケストラの一糸乱れぬ演奏に乗ってクリーザーの巧みなホルンが軽快に流れます。
 ホルン協奏曲第1番は流麗なホルンがモーツァルトの美しさを教えてくれます。カメラータ・ザルツブルクの素晴らしい演奏も見逃せないです。第2楽章のロンドはジェスマイアーの編曲を使っています。
 ホルン協奏曲第2番は第1楽章のホルンのソロに力強さが感じられます。展開部の演奏は良い響きです。再現部も力強い演奏です。第2楽章はオーケストラの美しい響きとホルンの豊かな響きが素晴らしいです。第3楽章のロンドは軽やかなホルンで良い響きです。クリーザーらしいホルンでモーツァルトの協奏曲を演奏しています。足技でこれだけ吹くとは驚きです。


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